EV時代は確実に現実のものとして迫ってきた。欧州勢をはじめとして、韓国、中国のメーカーも日本市場にEVを送り込んでいる。日本のEVはそれらを迎え撃つことができるのか!? 韓国のヒョンデ IONIQ5と中国のBYD ATTO3を対象に、日本の日産 リーフと徹底比較!!
※本稿は2023年2月のものです
文/片岡英明、写真/ベストカー編集部、撮影/中里慎一郎、平野学
初出:『ベストカー』2023年3月26日号
■仕向け地ごとの使い勝手を徹底
韓国のヒョンデは、日本市場にゼロエミッションビークルだけを投入すると宣言。そのエースとして送り込んできたのがBEVのIONIQ5だ。中国のBYDは、ヨーロッパとオーストラリアで好評を博しているATTO3を日本に上陸させた。
驚かされたのは、両車とも左ハンドル圏の自動車メーカーだが、日本向けに右ハンドル車を開発したことである。ウインカーレバーも国産車と同じように右側に変えた。日本のメーカーは、仕向地によって仕様を変え、使いやすいように手を加えている。これと同じ心遣いを韓国と中国のメーカーが見せたのだ。
2つ目の驚きは、販売価格である。何と、日産のリーフやホンダeとドッコイのバーゲン価格を打ち出してきた。しかも掛け値なしのフル装備としているから、割安感と満足感は際立っている。
爽快なパノラマルーフや大型モニター、運転支援システム、先進安全装備などがてんこ盛りなのだ。IONIQ5はリモートスマートパーキングシステムなどの便利装備に加え、蓄積した電力が家庭用機器などの電源になる「V2L」を標準装備し、家とつながる「V2H」にも対応している。
これまで日本のBEVが売りにしてきた、最先端の機能装備もサラッと装備しているのだ。
■内外装の斬新さが圧倒的!!
リーフは基本設計が古く、デザインに新鮮味が感じられない。同じ土俵に乗せてみるとエクステリアは平凡だし、インテリアもチープと感じる。
IONIQ5は直線とドットを用いたデザインが今までにない斬新さで、新しい感覚だ。インテリアも独創的である。また、ATTO3もアウディから移籍したデザイナーが手がけたこともあり、破綻なく上手にまとめている。リーフにとっては辛い現実だ。
インテリアも新鮮な香りを漂わせ、質感も広さもリーフを相手にしない。両車とも格上と思わせる上質さを身につけている。
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