VIPはやっぱLMじゃね!? レクサス版アルファード上陸で高級ミニバン市場大幅変化の予感

VIPはやっぱLMじゃね!? レクサス版アルファード上陸で高級ミニバン市場大幅変化の予感

 政財界のVIPにすら愛用されているアルファード。どこに連れ出しても恥ずかしくないデザイン、そしてお値段だが、レクサス版アルファードのLMが日本上陸を果たせばその勢力図が変わりそうな気も!! 高級ミニバン市場はこれからどうなる!?

文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部

■新型LMはミニバンじゃない!? そのワケは納得の理由だった

現行アルファードの限定車にも設定されていたが、新型LMは4人乗りモデルがカタログ設定されている点が大きな違い。そして48インチの巨大モニターが備わるなど衝撃の仕上がり
現行アルファードの限定車にも設定されていたが、新型LMは4人乗りモデルがカタログ設定されている点が大きな違い。そして48インチの巨大モニターが備わるなど衝撃の仕上がり

 レクサスが新たな選択肢として提案するフラッグシップMPVが新型LMだ。ミニバンではなくMPVと表記しているのは、LMが目指す車両像がアルファードと大きく違うことを意味しているのだろう。

 MPVはMulti-purpose Passenger Vehicleの略語、日本語に直すと多目的自動車。この表記は欧州マーケットで使用されることが多く、例えばメルセデスのVクラスなどがMPVとカテゴライズされている。

 具体的な基準は無いが、多人数乗車ができ、上質な移動空間を持ったクルマが多い。故にLMは単純に大人数が乗れるミニバンではなく、その質感にこだわりを見せている。

 強調されているのは「静粛性」と「快適性」の2点だ。音と揺れを最小限に抑え、後席に座る人に集中できる空間、安らげる空間を提供する。

 特にショーファードリブンに特化した4人乗りを設定したのが、アルファードとの大きな違い。アルファードでもゆとりあるセカンドシートを備えたエグゼクティブラウンジが用意されているが、こちらには3列目シートが残される。LMの4シーターは、3列目シートを取り払った優雅なものだ。

 全席と後席の間にはパーティションが用意され、後席でオンラインミーティングやエンターテインメントを楽しめる48インチの大型ワイドディスプレイを備えた。

 まさに、動く仕事部屋、動く書斎になりうる存在。クルマに乗るのは移動の時間という概念を、LMが大きく変えようとしている。

■アルファードじゃ物足りない!? ユーザーの本音が衝撃

かねてよりLMを熱望していたユーザーが多かったのも事実。我々庶民からすればアルファードの最上級グレードでも十分だが……
かねてよりLMを熱望していたユーザーが多かったのも事実。我々庶民からすればアルファードの最上級グレードでも十分だが……

「レクサスからアルファードのようなクルマは出ないのか」レクサス開業から数年が経過したころ、よく耳にした言葉だ。

 もちろんセールスコンサルタントだった筆者も何度も言われ、その度に「予定はないです、申し訳ありません。」と平謝りするしかなかった。

 2020年に中国でLMが発売されると、今度は「LMを日本で売らないのか」という声に変わる。レクサスオーナーはもちろん、アルファードのエグゼクティブラウンジに乗るトヨタユーザーからも、こうした声が頻発するようになった。

 なぜLMが必要なのか、アルファードではダメなのかと、筆者はレクサスオーナーの方々へ本音を聞いたことがある。そこで出てきたのは次のような答えだ。

 まず多かったのは、「レクサスが作るミニバンに乗りたい」という声。レクサスのこだわりを理解し、それを好んでいるレクサスオーナーなら、当然の思いだと思う。

「アルファードが良いクルマだから乗ってください」とお願いしても、レクサスオーナーは閉口する。

 レクサスオーナーにとっては、クルマに乗っている時間はもちろん、それ以外の時間も、レクサスの空気を感じていたいと思っているからだろう。

 そして、アルファードエグゼクティブラウンジでも用は足りるというが、特別感が足りないという声も多い。

 運転手をつけ、後席で豊かな時間を過ごしたいと考えるユーザーにとっては、クルマの持つ雰囲気は重要だ。

自分がクルマに乗り込み、クルマを降りるその瞬間までが特別でなければならない。それは自分自身の体験はもちろん、周囲の目に自分がどう映るかという点でも特別である必要があるのだ。

 各界のVIPや大企業の代表者が求める空気感をLMは見事に作り出した。こうした層の現アルファードユーザーは、LMにすぐにでも乗り換えたいと思うだろう。

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