クルマ選びで頭を悩ませるのが、グレードによる違い。上級グレードは高いし、安いグレードは装備が貧弱なのが相場だ。ところが世の中には、上級グレードに劣らぬ魅力を持つ最廉価(一番安い)グレードが存在する。今回はそんなグレードをそろえたクルマを5台紹介しよう!
※記事中の画像は紹介グレードと異なる場合があります。
文/渡辺陽一郎、写真/マツダ、スズキ、スバル、ホンダ、AdobeStock
■中級グレードを売るために下のグレードが必要?
最廉価グレード(価格が一番安いグレード)には、悲しい思い出がある。ある高価格車が発売された時、売れそうもない装備のシンプルな最廉価グレードが用意されていた。開発者に設定した理由を尋ねると「中級グレードを堅調に売るには、その下のグレードが必要だ」と返答された。
つまり「一番下のグレードは買いたくない」ユーザーのために、たとえ全然売れなくても、その下のグレードが必要なのだという。そのグレードは「自分が下に見られるため」に存在しているのだ。クルマ好きにとって、こんな悲しい不幸な話があるだろうか。
開発者とこの話をしたのは10年以上前のことで、今では状況が変わったと思いたい。そこでユーザーもクルマも「幸せになれる最廉価グレード」について考えたい。
■上級グレードと見分けにくい:マツダ CX-60・25S・Sパッケージ・2WD(299万2000円/8速AT)
CX-60のプラグイン・ハイブリッドは、上級グレードになると価格が600万円を超える。それに比べて直列4気筒2.5Lエンジンを搭載する25S・Sパッケージは半額以下だ。
しかし外観は、細部を良く見ないと、まさか半額とは思えない。後輪駆動でボディは軽く、運転感覚も素直だ、
注意したいのは内装で、インパネなどは硬質の樹脂がムキ出しの部分も目立つ。上級グレードと同じクルマとは思えないが、価格が半額ならば納得できる。少なくとも全長が4740mmのボディを備えた300万円以下のSUVとしては、十分な質感だ。機能や装備と価格のバランスでは、買い得度も強い。
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