日産エルグランドが開拓した国産LLサイズミニバン市場。当時はエルグランドが圧倒的な人気を誇り、トヨタは苦戦を強いられていた。
しかし2002年に登場した初代アルファードがエルグランドを超える大ヒットとなり、ついにミニバン王者の地位を獲得。そして2008年のフルモデルチェンジでアルファードは2代目へと進化すると同時に兄弟車のヴェルファイアを設定。初代を超える大ヒットとなり王者の地位を盤石のものとしている。
2015年に登場した3代目の現行型は高級ミニバンという枠を超えて、新時代の高級車として高い人気を誇っているのはご存じのとおり。
今回はアルファードがヴェルファイアを追加し、ミニバン王者の地位を盤石とした旧型となる2代目アルファード/初代ヴェルファイアの中古車事情について紹介する。
文:萩原文博
■かつて割安感のあった高級グレードが人気に
先代アルファード/ヴェルファイアの中古車は国内だけでなく、海外でも高い人気を誇っている。
中古車のオートオークション会場にはアジア圏からのバイヤーが多く訪れ、アルファード/ヴェルファイアの中古車を購入し、輸出しているのだ。
アルファード/ヴェルファイアの中古車は国内ではエアロパーツを装着した2.5Lエンジンを搭載したグレードが人気。しかし、海外ではパワースライドドア、本革シートなど快適装備が充実したグレードが好まれている。
このように、国内外で求められる要素が異なるのが特徴だ。
これまで、こういった快適装備が充実したグレードは日本国内では人気は今一つで、エアロ系グレードに比べると割安感があった。しかし海外での人気が高まるにつれてこういったグレードの値落ちにブレーキが掛かっているというのが現在の状況だ。それでは、旧型アルファード/ヴェルファイアの中古車事情を見てみよう。
■この3カ月でタマ数増加&割安に
先代アルファード/ヴェルファイアは2008年に登場したガソリン車と2011年に登場したハイブリッド車が存在しているので、両モデルのガソリン車とハイブリッド車をそれぞれ紹介する。
まずはアルファードのガソリン車の平均価格の推移を見てみよう。
3カ月前の2019年1月に時点での平均価格は195万円。そして現在の4月は189万円と順調な値落ちとなっている。
流通台数は需要期の3月に1200台を切るところまで減少したが、現在は1295台まで増加。アルファードのガソリン車は相場の動きが値落ち基調、流通台数は増加と買いのタイミングとなっている。
アルファードハイブリッド車は3カ月前の平均価格は275万円、現在は272万円とほぼ横這い。流通台数は170台から217台まで増えている。流通台数が増加しているにも関わらず、相場は横這いということによって人気の高さが伺える。
■アルファードよりヴェルファイアのほうがタマ数多し
いっぽうヴェルファイアのガソリン車中古車の流通台数は、アルファードをはるかに上回る2160台も流通している。平均価格は3カ月前が187万円で、現在は181万円と値落ち傾向となっている。
またハイブリッド車中古車の流通台数は220台。平均価格は3カ月前が269万円で、今月は263万円とガソリン車、ハイブリッド車ともに値落ち傾向だ。
現在の旧型アルファード/ヴェルファイアの中古車の動きを見てみると、アルファードのハイブリッド車が横這いで推移しているものの、そのほかは流通台数も増えていて、平均価格も値落ち傾向となっているので、買いのタイミングを迎えていると言える。
以前はアルファードよりヴェルファイアのほうが人気は高く中古車相場も高値をキープしていた。
しかし現在は逆転し、ヴェルファイアよりアルファードのほうが中古車相場は高くなっている。これは、ヴェルファイアの流通台数が多いということもあるが、不確定要素ながら価格に大きく影響を与える人気がヴェルファイアからアルファードへ移ったことも影響しているといえる。
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