8月22日トヨタ自動車の豊田章男会長がフィリピンを訪れ、サンタローサ工場に約110億円を投資し、2024年にも新型IMVをベースにしたペースカー・ピックアップとモダン・PUV・ジープニーの2台を投入することを表明し、アジア重視の姿勢を改めて見せた。
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ
■IMV0(ゼロ)をベースにした新型車をフィリピンで発表!
フィリピンはトヨタにとって重要なパートナーだ。TMP(トヨタ・モーター・フィリピン)はトランスミッションを生産し、各国に輸出することからスタートし、現在では年間5万4000台の生産能力を持つサンタローサ工場を持ち、イノーバやヴィオスを生産している。
累計では103万台を生産し、フィリピン国内で224万台を販売してきた。フィリピンは世界で10番目にトヨタ車が売れている国であり、市場シェアは約50%になる。トヨタがコングロマリットであるTy家ととともにTMP(トヨタ・モーター・フィリピン)の事業をスタートしたのは1988年のことだ。
今回TMP設立35周年を記念してフィリピンを訪れた豊田章男会長は、サンタローサ工場に44億フィリピン・ペソ、日本円で約110億円の投資を行い、IMV0(ゼロ)をベースにした新型車を2台生産し、2024年にも市場に投入すると発表した。
ペースカー・ピックアップと多人数乗車可能なモダン・PUV・ジープニーの2台で、いずれも昨年タイで発表されたピックアップトラック、IMV0(ゼロ)をベースにフィリピンの事情に合わせたモデルだ。
また35周年式典で流れたIMV0(ゼロ)のプロモーション映像では、コンセプトモデルがフィリピン以外の東南アジア各国でも計画されていることをうかがわせ、近い将来アジア太平洋地域は新型IMVベースのモデルで席巻されるかもしれない。
式典に登壇した豊田章男会長は35年の感謝を述べたうえで「フィリピンはビジネスとテクノロジーの両面から大きな発展をし、アジアのシリコンバレーになる可能性があると信じている」と投資の理由を語った。
その一方で、「私にとって(重要なのはフィリピンで)何台売れたとかではないのです。なぜなら私たちはクルマ以上にフィリピンに貢献したいからです」とホンネも語っている。
昨年タイトヨタが60周年を迎えた時もそうだったが、豊田章男会長は「ありがとう」と言ってもらえる所でビジネスをやっていきたいと語っている。今後中国メーカーをはじめ多くのメーカーがシェアの拡大を狙うアジア太平洋地域において、改めてトヨタは信頼関係を重視したビジネスを展開することを宣言した形となった。
BEV一本槍ではなくマルチパスウェイを掲げるトヨタにとって、アジア太平洋地域は戦略的にも最重要地域であることは言うまでもない。かつてIMVはトヨタの粗利の40%を稼いだというが、新型IMVが続々投入される来年以降、どのような結果となって表れるのか? 注目だ。
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