2022年から2023年にかけて、ノア・ヴォクシーとアルファード・ヴェルファイアが新型へ変わった。それぞれのデザインや価格設定を見ていくと、ターゲット層を変えてきた。実際に、客層に変化はあったのか? トヨタディーラーでの販売傾向調査から、購入ユーザーの変化を分析していく。
文/佐々木亘、写真/TOYOTA
■ボディ拡幅でも大丈夫? ノア/ヴォクシーの乗換え傾向を探る
ノア・ヴォクシー現行型は4代目。先代の3代目と大きく違うのは、ボディ全幅のサイズだ。
先代までは5ナンバーサイズのグレードも用意していたが、現行型では全幅を拡幅し、全車3ナンバーサイズとなった。
また、大人しいノアとギラギラのヴォクシーという対比が強かった先代に比べて、現行型ではノアのデザインも押し出しが強くなり迫力がある。ヴォクシーに至ってはギラツキというよりも未来感が強い。
クルマとしては上級志向となったものの、先代までのノアヴォクを愛したユーザーたちは、現行型への支持も厚い。機能的な装備を非電動化(カラクリ)によって実現し、コストダウンにつなげているクルマ側の努力にも、評価を高める声は多くある。
また、質感が高まったことで、2世代前のアルヴェルに乗るユーザーがノアヴォクに乗り換えるケースも増えているという。他メーカーのラージサイズミニバンから、ミドルサイズのノアヴォクに乗り換えるパターンも多い。
これまでのユーザー層は保持しつつも、上位車種に乗っていたユーザー層も取り込み始めたノアヴォク。「これで充分」という声も多く、ファミリー中心の購買層に変わりはないが、客層は以前よりも広くなっていることが分かった。
■ユーザー層に大変化!! いろいろな意味で質感が向上したアルファード/ヴェルファイア
2023年6月に登場したアルヴェルの新型モデル。その完成度はまさにキングなのだが、いっぽうで価格もキングになっている。
先代まであった中堅・下位のグレードがざっくりと削られ、最も安いZのガソリンFFモデルでも540万円スタートという状況。
先代までなら最廉価のXだと乗り出し400万円だったのが、現在では乗り出し600万円となる。
それでも先代からの乗り換えは多いというが、一部では上がりすぎた車両本体価格を見て、ノアヴォクへ乗換え先を変更するユーザーもいるようだ。
また、先代よりもショーファーニーズが増えており、法人の契約数が増えている。これまでのようにディーラーでの契約も多いが、リースを積極利用していた法人ユーザーはKINTOを使っての契約することが多くなったと、トヨタ営業マンは話す。
さらに車両の質感向上や価格上昇に比例して、ユーザーの質も上がっているように感じると話すトヨタディーラー関係者も増えてきた。
これまでは、アルファード・ヴェルファイアが、イケイケな若いオーナーに人気があり、「少し怖い人が乗っているクルマ」というイメージがあったが、新型になり購入するユーザーは変わってきているらしい。
これまで、ひとクセあったアルヴェルの新車商談だったが、新型登場以降は、スマートかつスムーズに商談が進むことが多いという。商談から感じられるのは、ユーザー一人一人の大人の余裕のようだ。
車両価格が大幅に上がったことは、アルヴェルが「乗り手を選ぶ」ということにもつながっている。広く大衆受けするノアヴォクとは違い、圧倒的な自己ブランディングを進め、唯一無二の存在としてアルヴェルは君臨し続けるのだろう。
コメント
コメントの使い方言うても、来年安いアルヴェル出すんでしょ。全然客層変わんないって(笑)
アルヴェルはますます一般庶民が乗る車ではなくなってきた気がする。運転席ではなく2列目の高級感が更に向上したのでもはや運転するための車ではないのから、庶民には必要性が薄いかもね。安全性や機能性だとノアヴォクがアルヴェルとほぼ同等なので、そういう観点ではノアヴォクに流れる人が増えたのも納得。