売れに売れているサクラ。納期も短くなってきたこともありその販売状況は落ち着くこともなく堅実に推移している。しかしいくら軽自動車規格とはいえ、日本ではまだ馴染みの薄い電気自動車。サクラはなぜここまで売れるのか??
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産、編集部
■日産サクラは補助金で猛烈に安くなる
日産サクラの勢いがとまらない。2023年8月の販売台数は2419台。同じ日産のデイズが3504台、ルークスが4610台だから一見するとサクラの台数はまだまだ弱いようにも見える。
ただ考えてほしい。完全な電気自動車(EV)であるサクラがこの販売台数を維持しているのは、EVが定着しにくい日本で考えたら凄まじい数字だ。ここまでサクラが売れている理由は軽自動車規格だということに他ならない。家族1人に対してクルマ1台の地域も多くあるが、通勤や通学など往復20~50km程度の使用用途のケースは非常に多い。
それであればEVは経済性にも優れるし、維持費も節約でき、さらにネガである航続距離や充電の心配もほぼ要らない。軽自動車規格だから狭い道などでの運転への不安もない。これだけ条件がそろえば売れるのは間違いなかったわけだ。
しかも254万8700円のスタートプライスも、国からの補助金(55万円)、そして自治体からの補助金(東京都なら55万円)を引けば150万円を切る価格になる。さらに太陽光発電などで増額申請をすればプラス15万円の補助も受けられる。アッというまに130万円台の軽自動車になってしまう。
軽自動車市場にはN-BOXなどスーパーハイトワゴンの強力なライバルがいるものの、ライバルが150万円近辺がスタートプライスなのを考えれば安価なサクラの魅力に心が傾く人も多いだろう。
■安いだけじゃなく質感もバッチリ
サクラに乗って驚くのはデザインの質感の高さ。フロントマスクはヌルッとしたツヤがあり、高級な印象をもたらしている。さらに動力性能もEVらしい加速感、そして静粛性は大きなアドバンテージだろう。
気になる電気代は日産の充電費用シミュレーターによれば月間900km程度(1日30km換算)の走行は4000円程度の電気代で賄えるそうだ。記事公開時点でレギュラーガソリン価格が177円/Lなので22L分のガソリンで900kmを走れる計算だ。いくら最新の軽自動車でも40km/Lはさすがに無理だろう。
ということで、お財布にも優しいし、EVだからと我慢する要素が少ないサクラの劇的なセールスは当然の結果だったのかもしれない。ただ課題もある。
それが自治体などで補助金の格差があること。本当にEVの需要がある地域でも財政的な限度はあるし、大都市部だけ補助金に恵まれるというのは不公平だろう。必要な人が手軽に乗れるようになるには、法整備も含めて大きな改善が必要なのも事実だ。
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