2023年11月16日から開幕したWRCラリージャパンのサービスパーク(豊田スタジアム)にて、ヒョンデのBEVアイオニック5のスポーツバージョン「N」が日本初披露された。ヒョンデはこのアイオニック5「N」について、「(これが)EVのハイパフォーマンスモデルのゲームチェンジャーになる」と説明。このアイオニック5「N」を、来春(2024年上半期)には日本で発売するとのこと。マジか。ラリージャパン期間中に一般展示されているので、ぜひ見に行っていただきたい。水色(ヒョンデいわく「パフォーマンスブルー」)に塗られたボディとブランドイメージカラー、なかなかカッコいいです。
文/ベストカーWeb編集部、写真/Hyundai、Rally Japan、ベストカーWeb編集部
■「あの頃は日本車と同じように売ろうとしていましたが、今は違います」
ヒョンデのスポーツブランド「N」は、ヒョンデ車両開発センターがある韓国の「南陽(Namyang)」と、ドイツ「ニュルブルクリンク(Nürburgring)に設立されたヒョンデモータースポーツ、ふたつの開発拠点の頭文字をとったものだとのこと。
WRCを含む、ヒョンデが参戦するモータースポーツの現場で培った技術と育成された人材、ノウハウ、イメージを集約したモデルとなる(トヨタでいうところの「GRMN」、BMWでいうところの「M」をイメージするとわかりやすい)。
この「N」ブランドから投入される新型車として登場したのが、昨年(2022年)日本カー・オブ・ザ・イヤーで「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー賞」を獲得したアイオニック5。SUVのBEVとして非常に高い使い勝手と走行性能が評価された。未来的なデザインで目立つし、なにより乗るとすごくいいクルマです。いや本当に。
【アイオニック5(ノーマル仕様)】
・ボディサイズ:全長4635mm×全幅1890mm×全高1645mm
・バッテリー容量:58~72.6 kWh
・一充電走行距離(WLTCモード):577km
・グレード構成と価格:後輪駆動(RR)の「標準車」「Voyage」「Lounge」と、4WDの「Lounge AWD」の4つ
・車両本体価格479万~589万円
今回このアイオニック5に設定された「N」は、専用開発された前後輪それぞれを駆動するデュアルモーターAWDを採用。その名も「Nグリン・ブースト」により、最高出力478kW / 650PSを実現。各種ボディ+シャシー補強により高いねじれ剛性とダイレクトなステアリングフィールを両立させているという。
さらに先進の温度管理と回生ブレーキテクノロジーの採用でレーストラックでの耐久性を向上、そして「感動は、音が連れてくる(ヒョンデ「N」ブランド責任者パク・ジョンウー副社長)」という思想どおり、ボンネット内に設置された大音量スピーカーがグォォォオンッと(アクセルペダルと車両速度に連動して)エキゾーストノートを奏でる。
冒頭で紹介したとおり、このアイオニック5「N」、来春(2024年前半)に日本で発売予定と正式発表された。
上述の「ヒョンデ「N」ブランド責任者であるジョンウー氏によると、(高性能モデルである)「N」は、モータースポーツの現場で学んだ情熱と技術を注ぎ込んだ、ヒョンデブランド全体を牽引するブランドになるという。
「20年前に”ヒュンダイ”の名前で日本市場へ参入した際、大変苦労されて撤退しました。あの頃と今とでは、何がどう違うのですか?」という記者からの質問に、ジュンウー氏は以下のように答えた。
「とても重要な違いがあります。あの頃わたしたち(”ヒュンダイ”)は、既存の日本メーカーの皆さんと同じようなクルマを作って、同じように売ろうとしていました。日本の自動車メーカーの皆さんは、非常に高い技術力があり魅力的なクルマをたくさん作っていて、それに追いつこうと必死だったのです。しかし今は違います。わたしたちにはわたしたちなりの想像力と情熱、哲学があり、それをストレートに日本の皆さんへ伝えようとしています。その最たるものが、”N”です。わたしたちはきっと、この情熱が、日本のクルマ好きの皆さんに伝わると信じています」
ヒョンデ・アイオニック5「N」は、2023年9月にグッドウッドで世界初披露された際に用意された特別なコンペティションモデル「ドリフトエディション」とともに、WRCラリージャパンのサービスパーク(豊田スタジアム)ヒョンデブースにて一般公開されています(11月19日(日)まで)。
近くに立ち寄った際は、ぜひ見に行ってみてほしい。すごい人だかりです。
またこのアイオニック5「N」、2024年1月12-14日の東京オートサロン(幕張メッセ)にも出展されるそう。マジか。
「ディーラーを持たない」という独特の販売手法のため、日本の街中で見かけることはまだ少ないが、いまヒョンデジャパンには、カーシェアやリース、Amazonなどを通したWeb販売で少しずつ広まったユーザーの輪からの要望や改善点が、続々と集まっているという。日本流でいう「カイゼン」のサイクルがグルグルと回っており、「世界で一番難しいと言われている日本市場でも、きっと広まってゆくと信じています」と、前述のジョンウー氏。
なお日本のレーシングドライバーである土屋圭市さんの大ファンだそうです。
【画像ギャラリー】内装も外装も全部見せます!! 高性能BEVに新しい価値観と想像力を!!「ヒョンデ・アイオニック5″N”」の美しいスタイル写真(65枚)画像ギャラリー
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