ラリージャパン3日目、岡崎中央総合公園で行われたSSは大いに盛り上がったが、公園内に真っ赤な巨大水陸両用車を発見。日本に2台しかない無限軌道災害対応車が何とも頼もしかった
文:写真/ベストカーWeb編集部
■日本に2台しかない無期限軌道災害対応車
ラリージャパン3日目、岡崎中央総合公園で行われたスーパースペシャルステージ(SSS)は晴天にも恵まれ、多くの家族連れでにぎわった。ラリーの魅力を伝えるのは、こうしたアクセスが良く、安全で見やすい場所でSSが行われることが重要。
岡崎市は頑張ったなと感心していたら巨大なクローラ車を発見。岡崎市中消防署本署に配備されている全地形対応車、通称レッドサラマンダーだ。サマランダーとは火の精霊で、消防や災害対策の特殊車両だ。正式には無期限軌道災害対応車といい、日本には岡崎市と大阪市にしかない。
2011年の東日本大震災の教訓をうけ配備が決定した車両で、2013年津波災害を受けにくく、全国に派遣されることを前提に、ほぼ本州の中央にあたる岡崎市に専用搬送車とともに配備されている。2016年の熊本地震をはじめ各地で活躍し、2023年の台風2号による岡崎市で発生した水害にも人命救助に当たっている。
全長8720×全幅2260×全高2660mm、車両総重量12トン130kgと巨大で、エンジンは7240ccの4サイクルディーゼルとなり、最高時速は50kmだ。
水深2mまで走行可能で氷点下35℃まで使用可能。最大登坂能力は50%で乗り越え段差は60cmというから、天上天下唯我独尊状態。唯一の弱点は満タン500L入る大きな燃料タンクを持つが、燃費は1km/Lというところか?
といっても、一般道を走ることはほとんどなく、専用トラックによる陸輸か空輸で被災地に運ばれる。製造したのはシンガポールのSTキネティックス社というところで。日本には消防車メーカーのモリタが輸入し、メンテナンスも行う。
連説車の前の車両に消防隊員が4人、後ろの車両に向かい合わせで3人づつ、6人が乗車でき、担架も常備していて、河川の氾濫による人命救助が大きな任務だ。クローラータイプのため、地滑りが起きたところも自在に走ることができる。
集中豪雨による河川の氾濫が頻発する日本、レッドサマランダーのお世話にはなりたくないが、こいつが救助に来てくれたら大きな安心をもたらすだろう。
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