日本を代表するスポーツカーであるGT-RはR35型になってから16年もの月日が経過した。16年経過した今でも現行モデル、そして一級のパフォーマンスを有しているのは絶え間なく進化してきたからだ。今回は簡単にだが、GT-R16年の進化の歴史を振り返る。
文/西川昇吾、写真/ベストカーWeb編集部、日産
■日本車の歴史を変えたハイスペック
現行型GT-Rが登場したのは2007年のことであった。先代となるスカイラインGT-Rが2002年に生産を終了したから、約5年の空白期間を経て復活した。
最高出力480PS、最大トルク588Nmというハイスペックに多くの人が驚愕したが、それまでの日本車にはなかった、リアにトランスミッションを配置するトランスアクスル方式を採用していたのも驚かされたポイントだ。
フロントミドシップとトランスアクスルの採用により、重量物を可能な限り真ん中に近づけていた。
これは、重量配分の適正化と低重心化などが目的だが、ハイパワーなだけでなく、曲がることをしっかりと意識していることが分かるレイアウトだ。
こうして2007年末に日本市場からデリバリーが開始されたGT-Rは2008年4月、かねてからの目標であったニュルブルクリンクの量産車最速タイムを塗り替えることに成功した。この時記録されたタイムは7分29秒03であった。
■モデルイヤー制で絶え間なく進化
そんなGT-Rはモデルイヤー制を採用し、およそ2年ごとアップデートされていった。
2009モデルで行われた初のアップデートでは、エンジンのパワーアップ(485PSに)、エアロダイナミクスの見直し、ダンパーの構造やバネレートの変更によるハンドリングの改良などが行われた。
また、2シーター化と各種軽量パーツ、専用サスペンションなどが与えられた硬派な「Spec V」などもラインアップされた。
2011年モデルでは大幅な改良が行われた。これが俗にいう初のマイナーチェンジとなり、以降が現在では中期型と言われている。
2011年モデルでは外観にも手が加えられ、デイライトが採用された。もちろん中身も進化していて、エンジンの出力は530PSにまでアップ。
サスペンションもスプリングとショックアブソーバー及びスタビライザーのレバー比を変更するほどの大きな改良が施された。
また、燃費向上や足組みの疲労軽減を狙ったシフトスケジュールとなるSAVEモードを追加するなどの快適性向上の改良も施された。
2012年モデルではエンジンは更にパワーアップし550PSに、またドライバーの配置を考えてサスペンションの左右非対称セッティングなどが導入された。
2013年モデルでは高出力インジェクターの採用やタービン、オイルパンなどの改良により中回転域のレスポンスと高回転域での伸びを向上させた。
また車体剛性の強化やロールセンターを下げるなどのフットワーク性能の向上も行われている。以降も細かな改良を行い進化してきた。
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