2023年12月25日、ダイハツ工業は一部報道機関に対して、認証試験不正問題の(お客様を含む)ステークホルダー向け説明進捗報告を実施した。そこで、先日の第三者委員会報告書にあった認証試験不正174件、64車種に関して「ただちに使用をお控えいただく状況ではない」と話した。以下、主な疑問とやりとりを速報でお伝えします。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカー編集部、ダイハツ
■なぜ「ただちに使用を控える必要はない」といえるのか?
「お客様おひとりおひとりに向けて、各販売店を通じて、お客様の状況に合わせて対応させていただいております」
ダイハツ工業は12月25日、報道機関に対して、今回の認証試験不正問題の対応に関する説明会をオンラインで実施。その冒頭で、上記のとおり進捗を説明した。現在、全国のダイハツ販売店では(ダイハツの新型車全車種出荷停止を受けて)新車販売を停止しており、ユーザーからの問い合わせに対応しているとのこと(ダイハツ製車両をOEM供給していたトヨタ、スバル、マツダでも、該当車種に関して順次同様の対応を実施するそう)。
【ダイハツ工業が開設した、認証申請における不正行為に関するお問合せ(専用ダイヤル)フリーコール 0120-055-789 受付時間:9:00~21:00 年中無休】
今回の認証試験不正問題を受けて、多くのダイハツ車ユーザーがダイハツへ問い合わせをかけているが、中には「出荷停止といっても12月にどうしても納車してもらわないと困る」という方や、「注文をキャンセルしたい」という方もいる。現実問題として、現在ダイハツの生産工場は出荷(生産)をすべて止めており、今後新車販売が再開する時期は見通せていない。それも踏まえて、各販売店ではお客様の要望とダイハツ側で「できること」(代車を用意したり注文をキャンセルし先払いぶんを返金したり)をすり合わせているという。
そうしたなかで、いま現在、「認証試験不正問題があったとされる車種」にお乗りのダイハツ車ユーザーに関しては、「ただちに使用を控えていただくという状況にはありません」(つまり「使い続けても問題ない」ということ)とのこと。
本件、気になる点はたくさんあるが、まずは2点。ひとつめは「何をもってして、”使用していても問題ない”という判断になったか」。
ダイハツ車の認証試験不正問題が表面化したのは今年(2023年)4月下旬。当初は海外向け仕様のみだったが、その後すぐに国内向け生産車両でも認証試験における不正が発覚した。
それから7カ月、12月20日に第三者委員会から提出された調査報告書によれば、認証試験不正は過去生産モデルやOEM車も含めて64車種、174件におよぶという。ここには現行ダイハツ車すべてと、直近の販売モデルの多数が含まれている。
この問題に関しては、発覚以降ダイハツだけで1000名を超える技術者が「再検査」に携わって、親会社であるトヨタの技術者も大量に入って徹底的に不正の洗い出しと「いま乗っていても安全上問題がないか」を確認したという。
同じグループの確認だけでは心もとないからと、再確認の手法や手続きに問題がないか、書類の並べ方ひとつとっても正しい手順どおりかを、外部認証会社テュフ・ラインランド・ジャパン社が確認したとのこと。
このような洗い出しと再調査をへて「ただちに使用を控えるような状況にはない」というアナウンスにつながっているそう。すくなくとも、これまで普通に使えてきたダイハツ車が、いきなり動かなくなったり壊れたりすることはなさそうだ(もちろん国交省の立ち入り調査と再検査を含めて各種調査は続いているわけで、クルマ自体が本当にこの先も大丈夫かどうかは、今後でてくる情報次第ではあるが)。
【画像ギャラリー】ぜひ参照して正しい情報を!! ダイハツ認証試験不正車両一覧と主なダイハツ車(11枚)画像ギャラリー
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