暗くなるとなんとなく周囲のものが見えづらくなり、神経をすり減らしながら運転をしている……。そんな悩みを抱えて運転をしている人は多いのでは? 今回は、暗くなると見えづらくなる原因と対策法を考えてみたい。
文/斎藤由紀子、写真/写真AC、イラストAC
【画像ギャラリー】夜道で見えづらいと悩んだら…(8枚)画像ギャラリー■夜に見えにくくなる原因は?
人間は、周囲の明るさに合わせて瞳孔を閉じたり開いたりを繰り返して目に取り込む光の量を調節している。明るいところでは瞳孔の開きを小さくして光を取り込む量を抑え、暗いところではより多くの光を取り込むために瞳孔の開きを大きくする。
物をはっきり見るためには瞳孔から適量の光が入ることが必要で、光の量が多すぎても少なすぎても見えにくさを感じてしまうのだ。
明るいところから急に暗いところに移動した時、最初は何も見えないのに暗さに目が慣れてくると物が見えるようになったり、逆に、「まぶしい!」と感じてもすぐに物が見えるようになるのも、すべて瞳孔が収縮したり拡張したりして目に入ってくる光の量を調整してくれているおかげなのだ。
この瞳孔の調整がうまくいかなくなることが夜の運転中に見えづらさを感じる原因のひとつ。夜は幹線道路のような明るい道を走ったり、ヘッドライトの光が頼みの綱のような真っ暗な道を走ったり、時には対向車のヘッドライトに目がくらんだりと、夜の運転中は目に入る光の量がめまぐるしく変化する。
この光の量の変化に合わせて柔軟に瞳孔の収縮が調整されなくては物をクリアに見ることができなくなってしまうのだ。
■「老眼かな?」と感じたら要注意
瞳孔の調整がうまくいかなくなる原因のひとつは、瞳孔の動きを司る目の中の筋肉の衰え。ほかに、夜盲症と呼ばれる疾患が原因になることもあるが、なんとなく見えづらい……くらいの症状であれば、目の中の筋肉の衰えが原因であることがほとんどだ。
目の中の筋肉が衰える原因は加齢。何もしなければ歳を重ねるごとに筋肉は弱ってくるのは必然なのだ。特に、老眼が始まるといわれるアラフォー以降になったら夜の運転時に物が見づらいと感じることが増えてくる。暗いところで物が見えづらいのは老眼の代表的な症状だからだ。
ちなみに、夜間は視力(夜間視力)が昼間よりも低下することは医学的に明らかとなっている。そのため、視力に自信がある人も夜間は視力検査で測定した視力よりも見えにくい状態になっていることを強く意識して運転をしてほしい。
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