5ナンバーSUVのロッキーライズが無期限の販売停止……そこにやって来たホンダが送り込んだ新型WR-V。絶妙なタイミングでの登場だけど4WDの設定はなし⁈ ニーズはあると思うんだけどなー、ホントにこの判断は正しいの!?
文/小鮒康一、写真/HONDA
■WR-Vがロッキーライズのポストを狙う!!
昨年11月に発表されたホンダの新たなクロスオーバーSUVであるWR-V。販売は2024年3月を予定している。
210万円を切るエントリー価格は、車格としては一回り下で現在出荷停止中のダイハツ ロッキー/トヨタ ライズの上級グレードと同価格となっており、受け皿となることも期待されている。
エントリーグレードながら装備は充実のWR-Vの「X」
買いやすい価格に見えるエントリーグレードの中には、見た目の安さを印象付けるためだけに設定した、いわゆる釣りグレードも存在している。
しかしWR-VのXグレードは、前車共通のパワートレインに加え、フルLEDヘッドライトや前席用サイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグ、Honda SENSINGなどの安全装備。
加えて、7インチデジタルグラフィックメーター、フルオートエアコン、リアベンチレーションなど必要な装備は全て標準装備となっている。
上級グレードとの大きな差はアルミホイールが備わらず、ステアリングとシフトノブが本革巻ではなく、リアシートのアームレストとパーセルカバーが備わらない程度。
それで「Z」よりも25万円ほど、「Z+」よりも40万円ほど安いのだから、手ごろなクロスオーバーSUVを求めている層にはガッチリハマりそうな気配だ。
■ここまで完成度高いなら4WD設定してもいいじゃない
ただひとつ気になるのが、クロスオーバーSUVでありながら駆動方式が前輪駆動の2WDしかラインナップされていない点だ。
最低地上高が高く大径タイヤを装着するクロスオーバーSUVだけに、より高い走破性を備える4WDを求める声はありそうだし、降雪地帯のユーザーからも同様の要望はありそうである。
この辺りの要望はホンダももちろん把握しているだろうが、現在販売されているクロスオーバーSUVの多くは2WDの方が圧倒的に売れているというのが2WDのみのひとつの理由だろう。
そしてもう一つ大きな理由として考えられるのが、WR-Vは全数インドで生産され、それを日本に輸入して販売しているという点だ。
海を渡ってやってくるということを考えると、あまりバリエーションを増やしすぎてしまうと輸送コストもハネ上がってしまい、低価格でユーザーに提供することが難しくなってしまう。
そのため、グレードを絞り、メーカーオプションもなしにすることで今回の価格を実現しているというワケなのだ。
ただ過去にはイギリスで生産したものを輸入していた日産デュアリスが、予想以上の人気となったため国内生産に切り替わった。
という過去もあるので、WR-Vも今後の売れ行き次第では何か変更がなされる可能性もゼロではないだろう。
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