灰皿は愛煙家にとって必要不可欠なアイテム。最近はタバコに火をつけたり、シガーライターや灰皿を備えるクルマも少なくなった。
その一方で、カー用品店で主に販売されている灰皿は、車載の灰皿よりも機能性が高く、使い勝手もビックリするほどいいのだ。
そこで、カー用品の灰皿はどんなものがあるのか? どれだけ進化しているのか、とことん取材してきたゾ!
文/野里卓也
写真/野里卓也
取材協力/カーメイト
灰皿商品を扱うカーメイトはカーアクセサリー分野の老舗メーカー
カー用品の灰皿の最新情報を取材するべく、カー用品メーカーの最大手、東京都豊島区に本社を置くカーメイトに伺った。
創業は1965年で、当時は後付け装着のヘッドレストでヒットを生み出し、現在まで灰皿やドライブレコーダー、それにルーフキャリアといったカー用品全般のほか、最近では自社開発のスマホのアプリケーションまで手がけている老舗のメーカーだ。
ちなみに扱っている商品点数も2800点近くあるのだが、車内まわりのカーアクセサリーでは800点以上ものラインアップがあるというから驚きだ!
同社にて灰皿商品の開発を担っている辰巳剛太郎さんと名塚拓哉さんに話を伺った。
灰皿だけで60点以上もの商品をラインアップ
数多くのカーアクセサリーを製造しているカーメイトだが、同社で初の灰皿は今から47年前、1972年に最初の商品をリリース。
それよりも前に吸盤で取り付けるタイプの商品があったが金属製で熱くなりやすかったこともあり、より安全に使用できる製品を発売したという。
それから現在まで灰皿商品をリリースしているのだが、現在のラインアップは灰皿だけでなんと60点以上! 単色ではなくカラーが異なるモデルを用意するなど、バリエーションも豊富なのだ。
「カーボン調のタイプが高い人気を誇っています」と辰巳さん。カーボン調ではあるが、以前のようなプリント感があるタイプではなくリアルカーボンに近い模様を再現しており、質感を高めているという。
現在のカー用品の灰皿は年間10億円もの市場があるそうで、同社ではカーアクセサリー市場の中でも、売れゆきのトップであるスマホホルダーに次いで、2番目に重要な市場と考えているという。
それでは、現在の売れ筋モデルとロングセラー商品から紹介していこう。
●灰皿の売れ筋商品は?
フタを開けると内部のLEDランプが点灯、夜間でも使いやすい灰皿。電源はフタ上部にあるソーラーパネルから確保。上部分割で内部の水洗いも可能。
●ベストセラーモデルはこちら
愛煙缶と名が付くとおり、愛煙家にとっては使い勝手の良い機能を満載した灰皿。ソーラーパネルのよるLEDランプのほか、片手で操作できるワンプッシュオープンを採用。
ちなみに愛煙缶シリーズは定期的にバージョンアップしており、初代の発売から14年を経てもロングセラーモデルとして愛されている。
灰皿の形状がカップホルダーに収まるタイプなのはなぜ?
ところで、現在の灰皿の形状はクルマのカップホルダーに収まる丸いタイプがほとんど。
いつ頃からそうしたタイプが出始めたのか、辰巳さんに伺うと「1995年からクルマに標準でカップホルダーが付き始めた頃からだと思います。
その以前から、カーメイトではエアコンの吹き出し口に装着するタイプのカップホルダーを発売しており、それに収まる灰皿を発売していました。
そうした商品をリリースしていたこともあり、カップホルダーに収まるタイプの灰皿は自然と主流となりました」という。ちなみに同社の灰皿は一部商品を除き国産、輸入車問わず車載に標準のカップホルダーには全て収まるそう。
というワケで、現在の主流であるカップホルダーに収まるタイプが出てきたのだが、もうひとつ大きな理由があるという。
「外へ持ち出す用途も想定しています」というのは名塚さん。「市場調査ももちろん行なっていますが、開発陣も街中を歩いて常に観察しており、それで分かったのが車外で喫煙している人が意外と多いことです。
そうしたユーザーに向けて車外にも持ち出せるように、しっかりとフタが閉まるように設計。パッキンも装着して中身がこぼれないようにしています。
あと、持ちやすいようにフタに指がかかりやすいカタチにしています」と、続ける。家では喫煙できない“ホタル族”にとっても重宝されているとか。
たしかにカップホルダーに収まるタイプは丸形で持ち運ぶにはちょうど良いサイズ!!
余談だが、同社商品を始めとしたカー用品の灰皿は建設・建築現場で働く職人さんの間でも、持ち運びする道具の中へ一緒にしまえるアイテムとして重宝されていることも付け加えておきたい。
タバコの消火の好みに合わせて豊富なバリエーションを用意
先にカーメイトでは灰皿の種類が豊富と伝えたが、タバコを吸う人はそれぞれ好きな味があるように、消し方だって好みがある。
例を挙げると、もみ消す方が良い人と、灰皿の中に入れておくだけで自然消火が良い人など、消し方だっていろいろあるのだ。
そんな消火方法に答えるべくさまざまなタイプを用意していることもあり、種類を豊富に用意している。
なお、カーメイトの灰皿の中でもフラッグシップモデルとも言うべき、水で消火するタイプもラインアップ!
他社にはないオリジナルの灰皿で、電池やソーラーパネルを使った電力は使わないアイデアに驚くこと間違いなし!
●水で消火するタイプ
内部に水タンクを内蔵。蓋を開けると同時に受け皿に水が出てタバコを消化できるカー用品の灰皿では唯一のアイテム。
裏側から水を注水するタンクには1回の給水で約60回分の消火ができる。なお、水の量が多すぎるとニオイが出るため、火種のみを消す量に設計されている。
●もみ消して消火するタイプ
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