皆さんは2013年にトヨタが発表した「i-ROAD」をご記憶だろうか。コーナーでバイクみたいに倒れ込む(リーンする)超小型モビリティなのだが、実はこいつが進化を遂げていたのだ。開発元を変え、「リーン3」と名前も変えた最新モデルを紹介しよう!
文/ベストカーWeb編集部、写真/リーンモビリティ、トヨタ自動車
■バイクの機敏さとクルマの利便性のいいとこどり!
通勤や近所の買い物用にバイクを買おうと考える人は多いが、転ぶと怖いし、雨にも濡れるってあたりは悩みの種だ。
そこでバイクの機動性は残しつつ、クルマの利便性ももたせようと生まれたのが超小型モビリティという乗り物。形態は2輪、3輪、4輪といろいろあるのだが、2013年の東京モーターショーでトヨタが公開した「i-ROAD」は、前後二人乗りのキャビンを備えた3輪車(前2輪、後ろ1輪)スタイルだった。
このi-ROAD、3輪で車体の安定性を確保しつつ、旋回時はバイクのように倒れ込む機能を備えていた点がミソ。オートバイでコーナーを駆け抜けるような喜びがあって、超小型モビリティとしては異例のドライビングプレジャーまで備えていた。
それから11年、i-ROADはどうしたか。実は開発者がトヨタから独立して、市販化に向けた開発を進めていたのだ。新たな会社は「リーンモビリティ」、i-ROADの新たな名前は「リーン3」という。
その動きの中心となっていたのが谷中壯弘さんという方。トヨタでi-ROADはもちろん、C+podやC+Walkの開発にも携わった方なのだが、そういった超小型モビリティの普及を加速させたいとトヨタを辞め、新会社を立ち上げたのだ。
■2025年に台湾から発売開始!
リーン3自体もi-ROADからいろいろと進化した。たとえば駆動方式。i-ROADは前輪駆動の後輪操舵だったが、リーン3は前輪操舵の後輪駆動と逆になった。さらに両開きのドアは左側のみとなったらしい。エアコンを装備して空調ダクトを取り回すためだ。
経営面でもリーンモビリティは思い切った動きに出た。バイク人口の多い台湾に注目し、現地の自動車関連企業から総額28億円の出資を集めたのだ。
その結果、リーン3は最初のデビューの場を台湾に定め、2025年の発売へ向けて開発が加速することになった。その後日本や欧州での発売も準備しているという。
気になる価格だが、台湾では20万台湾元+αを考えているらしい。日本円にすると100万円程度だが、仮に日本で補助金の対象となれば、より手頃な価格で手に入るだろう。ひとつ惜しまれることは、日本では現状「原付ミニカー」扱いとなるそうで、乗員が1名に制限されるようだ。
日本の地方では、バスやタクシーといった公共交通も脆弱化しつつある。リーン3のような多様なモビリティがそいつを補完できれば、活性化にもつながるはずだ。
【画像ギャラリー】車検も不要で安上がるなリーン3の姿をじっくり見て!(11枚)画像ギャラリー
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