エコカーと聞くと様々なイメージがあるだろう。ただ、主流な話をすれば日本ではストロングハイブリッドが主流で、ヨーロッパではディーゼルとマイルドハイブリッドの組み合わせが主流となっている。この違いはどうしてなのだろうか? ハイブリッドとディーゼル、それぞれの特徴を見比べてみよう。
文/西川昇吾 写真/トヨタ、BMW
■ストロングハイブリッドとは?
日本でハイブリッドと言えば、ストロングハイブリッドと表現されることが多い。
ストロングハイブリッドは大型のモーターとバッテリーを搭載しているのは特徴で、発進から低速域は大きなトルクを発生するモーターで駆動し、高速域ではエンジンで駆動する。このようにエンジンとモーターが役割分担されていることが多い。
また大きな特徴としては、モーターだけでの駆動が出来ることもポイントと言える。メリットとしては、燃費的に負担が大きい加減速が多いシチュエーションで、モーターを上手く活用できるため、ストップ&ゴーが多い環境で燃費性能を向上させることが出来るのだ。
■ディーゼルとマイルドハイブリッド
しかし、ヨーロッパ車でエコなイメージがあるパワーユニットと言えばディーゼルエンジンとマイルドハイブリッドの組み合わせだ。
まず、ディーゼルエンジンは同クラスのガソリンエンジンに比べて燃費がいい。ディーゼルはガソリンエンジンに比べて低回転からトルクが大きく、排気量を小さく出来る。
また、近年はターボとの組み合わせで出力的にも低排気量で不満がない。ディーゼルは排気量を小さくしても必要なトルクを得られるため、車格の割に燃費が良いモデルが多い。
またマイルドハイブリッドは、発進時などトルクが必要なシチュエーションで、モーターの駆動力を使ってアシストしてくれる。
このアシストに留まるのがストロングハイブリッドとの違いで、ストロングハイブリッドほどの高出力なモーターを搭載しておらず、モーターだけでの走行も基本的には出来ない。ただ、ストロングハイブリッドに比べてコストがかからないため大幅な価格アップをしなくても問題ないのがメリットの一つだ。
■なぜ日本とヨーロッパで違うの?
ではなぜ日本ではハイブリッドが多く、ヨーロッパ車にディーゼルが多くだろうか。それは交通環境の差だ。日本はストップ&ゴーが多く、ストロングハイブリッドの方が燃費性能を伸ばしやすい。対して、ヨーロッパでは高速道路など、一定速度での移動が多くストロングハイブリッドの恩恵が受けにくい。
このようなシチュエーションはエンジンが最も燃費性能を伸ばしやすい状況と言える。そう考えるとディーゼルが最適解であり、低速域をアシストしてくれるマイルドハイブリッドならば街乗りでの燃費性能もある程度伸ばしてくれるため、価格と市場が求めるニーズのバランスが良いというのが理由だろう。
ただ、日本のストロングハイブリッドが海外でも販売されていて、一定の成果をあげていることを考えると、海外市場でも日本のストロングハイブリッドは「アリ」と思われているということであろう。
様々なパワーユニットの強みと弱みを理解して、自身のカーライフにあったパワーユニットを選ぶのが賢いクルマ選びの第一歩だ。
【画像ギャラリー】ストロングハイブリッドのトヨタ プリウス&ディーゼル+マイルドハイブリッドのBMW X1 xDrive20d(16枚)画像ギャラリー
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