街中を走行していると、先頭で信号待ちをしているクルマが、停止線のかなり手前で停車している光景をみかけることがあります。停止線を超えてはいなので、問題はないのですが、「なんでそんな手前で止まってるの??」と、気になりますよね。「停止線のすんごい手前で止まる理由」をいくつか推察してみました。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:写真AC_ はっぴいえんど/写真:Adobe Stock、写真AC
■右左折車が怖い!??
停止線から大きく離れた手前の位置で止まる理由として考えられるのは、「右左折車に配慮して」ということ。トラックやバスなどの大型の車両が、交差する道路から右左折によって道幅の狭い道路へと進入してくるとき、停止している位置によっては邪魔になること、ありますよね。
停止線から下がって停止しておくことで、そうした大型の右左折車が曲がりやすくなる、ということは確かにあるでしょう。
ただ、停止線から下がった位置で停止していなくても、その右左折車が、通行が禁止されていない車両であれば、曲がることはできるはずです。
停止線は、「交差道路側の右左折車の走行に支障を与えない位置に設置する」と定められており、交差点が設計される際に、バスやトラックなどの大型車両であっても、しっかり(曲がった先で停車しているクルマが)停止線手前で停車していれば通行できるような位置まで後退して、設置されています。
そのため、トラックやバスに配慮して、停止線から大きく下がって停車する必要はありません。道路交通法第43条において「車両等は、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前で一時停止しなければならない。」と、「停止線の直前」と規定されていることを考えれば、停止線から大きく離れた手前で停止することは、道路交通法違反にもなりかねない行為。
ただ、そうはわかっていても、「ぶつけられそうで怖い」というドライバーの心理的な要因から、離れて停止している、ということはあるかもしれませんね。
■クルマの形状やドライバーの目線高さによっては、手前で停止しないと信号機が見えない、ということも
ほかにも、クルマの形状に要因があることも考えられます。ホンダN-BOXやダイハツタントなどの軽スーパーハイトワゴンのように、フロントガラスが垂直気味に立ち上がっているクルマの場合、停止線手前で停止したとしても、クルマの真上に近い位置に信号機がきてしまうことがあり、背の高い(座高が高い)ドライバーや、シートを極端に上へ持ちあげるドライバーなどは、信号が見えづらい状況になることがあります。
特にホンダN-BOX/(スラッシュ)は、シート位置はN-BOXと同じですが、ルーフを100mmも下げた影響で、直上の信号機が見えにくく、苦労をするようです。
そのため、停止線から離れて停止することが習慣となっていて、ときには、かなり手前で止まってしまう、ということが考えられます。
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