数多登場した日本のクルマのなか、日本人の心を深く打ち、いまなお強い印象を与え続けるモデルは? そしてなぜかくも強い印象を与え続けるのか? 自動車評論家の片岡英明氏に聞いた。
●【画像ギャラリー】スバル360からパジェロまで!日本人の心を打った名車たち
※本稿は2019年8月のものです
文:片岡英明/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年9月10日号
■いまだ日本人の心を掴み続ける7台
日本人の心を打った乗用車第1号はスバル360だ。
●スバル スバル360(1958-1970)
戦後の復興が仕上がりに向かった1958年3月3日に生を受けたスバル360は、画期的な軽自動車だった。
中島飛行機の航空機技術を駆使して設計され、軽量で剛性の高いモノコック構造を採用。
丸みを帯びた愛らしいデザインで、コンパクトだが大人4名が座ることができた。空冷2サイクル2気筒エンジンもパンチがあった。
「てんとう虫」のニックネームを持つスバル360は、たゆまぬ進化を続け10年以上も第一線で活躍し、日本の風景を変えている。
クルマに興味のない人でも知っているし、アルバムに一緒に写っている写真を持っている人も多い。
スカイラインも日本人の心に響いた高性能セダンだ。その筆頭が2代目スカイラインに加えられたGT、のちの2000GT-Bである。
●日産 2代目スカイライン(1963-1968)
「羊の皮を被った狼」のニックネームで愛され、これに続くハコスカではGT-Rへと進化。今もマニアを魅了している。
平成のスカイライン代表は8代目のR32だ。GT-Rの復活が話題になったが、基準車のGTS-tタイプMも今なお記憶に残る。
●日産 8代目スカイライン(R32型・1989-1993)
ロータリーエンジンを搭載したマツダのRX-7も心に残る日本の名車だ。
●マツダ RX-7(1978-2002)
3代とも刺激的で楽しいスポーツクーペだが、ル・マン24時間レースの優勝とリンクして痛快な走りを印象づけた3代目、FD3S型が最高のRX-7だろう。
ターボの後押しを受けた13B型ロータリーはパンチがあるし、ハンドリングもスポーツカーらしいシャープなものである。
プレミアムセダンはクラウンとセルシオ(現・レクサスLS)が日本人を魅了した名車だ。昭和の時代は「いつかはクラウン」だったが、平成時代の憧れはレクサス。
●トヨタ セルシオ(1989-2006)
特に初代のUCF10系は次元の違うおもてなしを売りにし、名門メルセデスベンツやBMWなどを慌てさせた。今も初代セルシオを愛しているファンは数多くいる。
RVでは3ナンバー車のベストセラーとなり、販売記録を塗り替えたホンダのクリエイティブムーバー、オデッセイをあげないわけにはいかないだろう。
●ホンダ オデッセイ(1994-)
初代オデッセイはホンダの救世主になっただけでなく、多くのファミリーに幸せを運んだ。ミニバンの新しい形を提案し、ブームの火付け役になっている。
もう1台、マニアックなクロスカントリー4WDの世界に革命を起こしたのが三菱のパジェロだ。
●三菱 2代目パジェロ(1991-1999)
1991年に登場した2代目パジェロは、ファミリー層をアウトドアへと向けさせ、今につながるクロスオーバーSUVブームを築いた。
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