なかなか給与アップが見込めないこのご時世、車検にかかる費用は家計に重くのしかかります。近年、ガソリンスタンドなどでよく見かける「1万円車検」という看板。
もし本当に1万円で車検が通せるならありがたい限りですが、ほんとうにそんな安い値段ってありえるのでしょうか? 今回は1万円車検のしくみをひも解いていきます。
文:ベストカー編集部
なぜ1万円で車検が可能なのか?
「1万円車検」と書かれれば、確かにインパクトがあります。看板だけ見れば「1万円で車検が取れちゃうの?」と勘違いする人がいることでしょう。
車検に詳しい人が見ればわかると思いますが、1万円は1万円でも、この金額は整備にかかる費用のことなのです。
順を追って見ていきましょう。そもそも継続車検を取るには、どういう項目があるのか、フィットを例にして項目を挙げてみます。
初年度登録から13年未満のフィットの場合、自動車重量税が2万4600円、自賠責保険が2万7840円、印紙代が1100円と法定費用の合計だけでも5万3540円が必要です。
これに加え法定24カ月点検整備(56項目)を行わなければなりません。この法定点検整備費用が看板に謳われた1万円ということなのです。
日本全国に400以上の店舗を構えるチェーン店、車検のコバックを例にとると、車検のメニューは3種類あります。
まず車検に必要な手続きと法定点検整備を30~60分で行う「スーパークイック」が9500円です。いわゆる巷の1万円車検は9500円の「スーパークイック」に類するものと予想できます。
次にエンジンオイルやフィルター交換、ブレーキ調整などを行う「スーパーセーフティ(60分以上)」が1万4770円。
最後に法定点検56項目を超える100項目の点検を実施し、1日かかる「スーパーテクノ」が2万4336円です。ちなみに全国のコバック店での一番人気はこの「スーパーセーフティ」とのこと。ユーザーの多くは、安さよりも安心を選択しているようです。
なお神奈川県、埼玉県エリアにあるニコニコ車検の「1万円車検」ではWEB予約すると1000円割引きを行っています。
ニコニコ車検の場合、車検を受ける前に無料の事前点検(1時間程度)を行い整備内容を決め、不良な部品などが見つかった場合、その発注をしなければいけないので、本検査の約1週間前に事前点検を行うのがおすすめとのこと。
この事前点検を行った後、車検(継続2年点検・継続検査)を行うのですが、24カ月法定点検は56項目を超える112項目の点検を行っており、日数的には1~2日かかるとのこと。
そのほか、ニコニコ車検では軽自動車からベンツなどの輸入車まで1万円の全車種均一料金。車検切れでも追加料金不要、2年間の整備保証、車検おまとめローンなどサービス体制が非常に充実してます。
車検整備費用1万円というのは、たしかに安くて早く、過剰整備がないのはいいかもしれません。
ユーザーが安心と価格のバランスを見極めて、上手に利用すればいいのではないのでしょうか。
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