こいつの足つきが悪いワケないじゃない! 安心感抜群のモンキー125【165cmで足つきチェック】

こいつの足つきが悪いワケないじゃない! 安心感抜群のモンキー125【165cmで足つきチェック】

 小さいバイクの筆頭「モンキー」が125ccになってやってきたのは2018年のこと。それまでの50ccのミニミニサイズに慣れた人たちからは、「大猿」などと可愛げのないあだ名で呼ばれたりしたが、コンパクトさは今でもピカイチだ。そんなモンキー125の2025年モデルを実車チェックしてみた。

 
文/西田 宗一郎
 

大きくなったモンキーは実用性アップ! ご長寿モデルの末裔だ

 モンキーの歴史をさかのぼると、なんと57年前の1967年デビューという、ホンダのバイクの中でも屈指の古株だということに驚かされる。そもそもは遊園地の遊具として開発されたミニマムなボディはとにかく小さくて可愛らしく、50ccの原付モデルとして発売されてからも、モデルチェンジを繰り返しながら半世紀以上を愛されてきた。

 そんなモンキー50は排ガス規制に適合できず、2017年にファイナルモデルを発売して姿を消した……と思いきや、125ccになって翌年復活。パワーアップに合わせて車体もごつく大きくなった。モンキー50と比べると「デカモンキー」などと呼ばれる理由もわかるというものだ。しかし大きくなったおかげで、50ccの時にはむしろ「小さすぎて不便」な部分もあったツーリングや日常生活における使い勝手は一気に向上。大人気モデルになっている。

 モンキー125は登場時から、LEDヘッドライトや倒立フォーク、コンパクトな液晶メーターなど、現代のバイクらしい装備は充実。このため現行モデルまでの仕様変更も、2021年にミッションが5速へ変更されたことくらい。2024年モデルでは初代モンキー50を思わせるシンプルなカラーリングと、オプションでシフトインジケーターが追加された。

 

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モンキー125(2025)原付二種に生まれ変わったモンキーも今年で7年目に。シンプルなカラーで登場だ。

 

 

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50ccモデルにくらべると一回り以上大きいため、小さくて可愛い~という感じはあまりしない。

 


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モンキー Z50M(1967)最初に市販化されたモンキー。ホイールサイズはなんと5インチだ。

 

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モンキー(2017)最後の50cモンキーはインジェクション化、ホイールサイズアップなどで実用性も高まっていた。

 

 
 
 

太いタイヤとでっかいシートはSUV的でカッコイイ!

 そんなモンキー125。人気モデルで街中で見かける機会も多いため、ビックリはしなかったが実際「大きいなあ~」と声が出る存在感だ。とはいえ、それはあくまでモンキー50と比べた感想。125ccクラスと思えば、別段巨大なバイクというわけではない。サイズは兄弟機のGROMとほとんど同じ(しかし、GROMはむしろ「小さいな~」と思えるのは不思議だ)、エンジンも基本設計をGROMと共有した空冷OHC単気筒124ccを搭載する。最高出力は9.4PS/6750rpm、最大トルク1.1kgf/5500rpmと、原付二種としては標準的なパワーといえるだろう。ミッションは5速のリターンで、クラッチがついているため、操作感は一般的なマニュアルミッションと同じだ。

 やけに大きく見える秘密はそのスタイルにあるようだ。印象深いのは太い前後タイヤ。オフロードタイヤで知られるVee Robber製の12インチタイヤを装備しており、ごつごつしたパターンはオンロード向けとはいえワイルドな感じ。リアショックはツインで、フロントフォークはスポーティーな倒立タイプで足回りを支えている。別にオフロードモデルではないのだが、メッキ仕上げのアップフェンダーや、ショートサイズなアップマフラーがアクティブな印象をくれるのだ。

 

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123ccの空冷OHC単気筒エンジンは9.4PSを発揮する。

 

 

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ミッションは5速リターンで巡航性能をアップ。ダックスやカブと異なり、一般的なハンドクラッチを備える。

 

 

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ショートなアップマフラーがワイルドだが、寸詰まりなサイレンサーに可愛らしさもある。

 

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フロントフォークは倒立で、飛び石を防ぐガードを標準装備。

 

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ホイールは前後12インチで大きくはないが、小さい車体と比較してタフに見える。

 

 小さ目のタンクと、分厚いシングルシートも見逃せないポイント。タンクは5.6L容量と決して多くないが、シートとの対比はかつてのモンキー50と同じ、コンパクトな上半身を実現している。なにせ、シートの座面とタンクの天井がほとんど同じ高さなのだからタンクの小ささが際立つというもの。存在感のある足回りと組み合わさって、SUVのような元気なシルエットを作り出している。しかし、欠点としてシート高はその分高くなってしまった。776mmという数値は、スーパーカブ110と比べると5センチ近く高い。

 ハンドルはアップライトなバーハンドル。丸いデジタルメーターがひとつだけのシンプルなコクピットは、SUV的なメカメカしさには欠けるものの、レトロな印象を引き立ててくれる。このメーターはダックス125、CT125ハンターカブと同タイプの反転液晶で、速度と燃料計、トリップ/ODOメーターのほかに表示はなく、インジケーターは小さいライト。多機能フルカラーTFT液晶モニター搭載機がどんどん出てくる中、保守的なスタイルが好みというライダーも多いのではないだろうか。ちなみに、2024年モデルでオプションに追加されたシフトインジケーターは、このメーターの横に飛び出すように装着される。個人的には、スッキリした無印のデザインが好きだ!

 

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灯火類はフルLED。ヘッドライトはメッキのリムがついたレトロな丸型だ。

 

 

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テールライトは小さく、ダックス125と同形状。明るさは十分で視認性は高い。

 

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小ぶりな台形のタンクは5.6L容量で、2025年モデルはシンプルな単色だ。

 

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シートは分厚くタックロール風。乗り心地は抜群によい。

 

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ハンドルはバータイプのアップライトなもの。コクピットはシンプルだ。

 

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メーターは丸形の反転液晶で、回転数やシフト位置の表示はない。

 

ちょっと高いシートにカカトは浮きます。でも怖さはまったくナシ! 楽しいハンドリングでキビキビ走る

 いよいよ実際に乗車してみる。解説したとおり、シート高は776mmとけして低くない。けして低くないが、ダックス125とはほとんど同じ数値だ。ダックスも低い重心で軽く、足つきなんて気にもならなかったということで、モンキーにも気負いはまったくゼロで跨った。

 ところがモンキー125はダックス125と乗り心地がかなり異なる……というか、シートがフカフカでたいへん柔らかかった。このため体重でかなり沈んでくれ、足つきはダックス以上によい感じ。両足を下ろすとカカトこそ浮くが、どちらの足もしっかり接地しているので、立ちごけの不安は全くなし。さらに車体の引き起こしは、104kgという超軽量なボディと低重心でラクラクだ。

 

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モデルは身長165cm、体重50kg。シートが沈んでいるのがわかってもらえるだろうか?

 

 

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足を上げるとべったり接地。軽いためバランスを崩す怖さはまったくない。

 

 そして走り出すと、普通のネイキッドバイクとほとんど変わらないポジションを作ることができ、ミニバイクだという雰囲気は全然感じない。足回りのボリューミーさでコーナリングも安定しており、段差やミゾもへっちゃら。コーナリングも12インチホイールのクイックさで倒し込むのも楽しく、大きくなった分、モンキーとは思えない安定感を楽しめるバイクになっていた。もちろん125ccクラス相応のパワーで、幹線道路を巡航する程度は十分可能。さすがに加速力はさほどでもないため、追い越しはちょっと度胸が必要かもしれない。

 欠点というべきでもないが、気になる点といえばふわふわのシングルシート。これは乗り心地もよく、長時間ツーリングにも耐える素敵な装備といえるのだが、いかんせん長さは短いためポジションの自由度はなく、大柄なライダーだと窮屈な姿勢になるだろう。この点は同クラス・同キャラクターのダックス125のロングシートに軍配を上げたい。

 大きくなって、可愛さに加えてカッコよさも手に入れたモンキー125は、原付二種の気軽さ、マニュアルミッションの楽しさを存分に楽しめるマルチロールマシンとなっていた。通勤&通学のお供にも過不足ない性能で、ファンバイクの域を超えた実用性も十分。誰でも乗りこなせて楽しいこと、間違いナシだ!

モンキー125(2025)主要諸元

・全長×全幅×全高:1710×755×1030mm
・ホイールベース:1145mm
・シート高:776mm
・車重:104kg
・エジンン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ123cc
・最高出力:9.4PS/6750rpm
・最大トルク:1.1kg-m/5500rpm
・燃料タンク容量:5.6L
・変速機:5段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/80-12、R=130/80-12
・価格:45万1000円

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/431983/

モンキーなのにかかとが着かない…モンキー125は意外とデカいぞ !【165cmで足つきチェック】【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=431983&slide=1

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