多くの人が帰省を考える時期。日常では月に数度、短い距離しか走行しないマイカーを帰省に使う場合、気になるのは高速道路のロングドライブ時におけるトラブル。今回はトラブル回避のためのセルフチェックについて。
文/山口卓也、写真/写真AC
【画像ギャラリー】JAFのお世話にならないために何をすべき?(8枚)画像ギャラリー■高速道路における4輪のトラブルは4割がタイヤ関係!
一般道路と高速道路での4輪・2輪合わせたJAFロードサービス出動理由TOP3は、1位が“バッテリー上がり”、2位が“タイヤのパンク”、3位が“落輪・落ち込み”となっている。
だが、4輪のタイヤトラブルについては一般道路と高速道路では大きな違いがあり、一般道路でのタイヤトラブルが全体の約20%であるのに対し、高速道路となると約40%と2倍となりダントツのトップに。そして燃料切れが約10%で2位、そして3位に事故と続く。
タイヤトラブルがいかに多いかわかっていただけただろうか?
ここからは長距離ドライブ前にタイヤチェックを絶対に行うべき理由を詳しく解説していこう。
【画像ギャラリー】JAFのお世話にならないために何をすべき?(8枚)画像ギャラリー■空気圧不足がもたらす“スタンディングウェーブ現象”を知っていますか?
高速道路での連続走行は、一般道路と比較してもタイヤへの負荷が大きい。
例えば空気圧が規定値に達しておらず低圧となっている場合、タイヤ回転時にタイヤが波状(ウェーブ状)に変形して発熱し、最後にはバースト(破裂)することがある。これを“スタンディングウェーブ現象”と呼ぶ。
回転時に波状(ウェーブ状)に変形していてもドライバーは気づきにくく、ある程度を超えると突然バーストしてしまうので恐ろしい。
またバーストまで至らなくてもタイヤ内部のパーツが剥離することもある。これを“セパレーション”と呼ぶ。
タイヤには常に車両重量分の荷重がかかっており、常に少しつぶれた状態となっている。
しかし、空気圧が足りない、荷物の積みすぎで車両が重くなっている場合はつぶれた部分のたわみ量が大きくなり、このまま高速走行するとこのたわみが多重に起こってタイヤは波打った状態になってしまうのだ。
そしてタイヤがバーストしてしまうと、多くの場合は正しいハンドル操作ができなくなり、大事故につながる可能性大!
【画像ギャラリー】JAFのお世話にならないために何をすべき?(8枚)画像ギャラリー■乗用車の4台に1台が空気圧不足!
このようなタイヤトラブルを起こさないために最も重要なのはタイヤの空気圧管理。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)が2015〜2019年に高速道路で乗用車のタイヤを調査したところ、4台に1台が空気圧不足だったというから驚く。
自身のタイヤの適正な空気圧は、多くのクルマでは運転席ドアのボディ側に記載してあるのでこれで確認すればいいだけなのだが……。
空気圧の測定は市販のエアゲージ、補充はエアポンプがあれば行うことができるが、ガソリンスタンドで行うこともできる。
しかし、タイヤの空気圧は走行後2時間、気温が10℃上昇するごとに10Kpa上昇するため、本来は走行前に自宅で空気圧チェックすることが望ましい。
【画像ギャラリー】JAFのお世話にならないために何をすべき?(8枚)画像ギャラリー■1カ月に一度は空気圧チェックを!
指定空気圧より30〜40Kpa低下している場合にタイヤトラブルの発生リスクは急激に高まると言われている。
そして空気圧は1カ月に約5〜10%(約10〜20Kpa)も自然に低下するため、空気圧管理は月に一度は必ず行いたいセルフチェックである。
タイヤが温まっていると空気圧は上昇するが、どうしても走行後に空気圧チェックを行う場合は、走行後は熱でタイヤ内の空気が膨張していることを加味して、指定空気圧より10〜15%高い数値に合わせるようにする。
もちろん、空気圧チェック時にはタイヤ自体にヒビや変形がないかも確認すべし!
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