走行モードはダート路面でも違いをハッキリと体感できる。「SPORT」モードのレスポンスはシャープで力強いトルクもすぐに立ち上がってくるので、スロットル操作だけで後輪をスライドさせやすい。さらにトラクションコントロールと前後ブレーキのABSをオフにできるので、マシンコントロールにはライダーの意思が忠実に反映される。この俊敏なエンジンと衝撃吸収性にすぐれた前後サスのおかげで、テネレ700は林道でもトレールモデルのような軽快な走りを楽しめるようになっている。ただし、コーナー進入時のブレーキング、行き止まりでのUターンなど、低速走行で不意にマシン挙動が乱れた際のバランス修正では車重や足着き性の悪さが気になった。
オフロードで軽快な走りを楽しむには、ライダーにもオフロードライディングのスキルや経験が求められる面があるが、林道やキャンプ場のダート路面をトコトコと走破するような場合には、テネレ700の「EXPLORE」モードがライダーをサポートしてくれる。穏やかなトルクの立ち上がりとマイルドなスロットルレスポンスが後輪のトラクションもマイルドにするので、後輪が無駄に路面を引っかかず不意にスライドしにくい。そして、トラクションコントロールをオンにすれば、スロットル操作がラフになっても後輪のスライドが低減され、マシン挙動が乱れにくくなる。後輪が路面をグリップする力は「SPORT」モードよりも薄くなるが、前輪の接地感はしっかりと感じられ、ハンドルが振られやすいといった弊害もない。バランスを崩しにくい走行ラインを取り、過度にスロットルを開けず、車体を直立させるようにバランス修正を行なえば、オフロード経験が多くないライダーでもフラットな林道はトコトコと走破できる乗りやすさを実現している。
「SPORT」と「EXPLORE」の2つの走行モードを設定し、市街地とオフロードの両方で幅広いライダー層が扱いやすさを感じられるようになった。さらに、「CP2エンジン」は最高出力73PSと余裕の高速巡航が行なえるパワーも発揮し、ライディングポジションの自由度が高く、長距離走行も快適に行なえる。2025年型テネレ700はオンロードとオフロードでの扱いやすさが大幅に向上し、ツーリングマシンとしての完成度も高まっているのが特徴だ。
足着き性が気になるライダーには、シート高を約15mm下げる「ローシート」と、リヤサスのリンク長を変更してシート高を約15mm下げる「ローダウンリンク」を装着した「テネレ700 Low」も用意されている。
2025年型ヤマハテネレ700主要諸元
・全長×全高×全幅:2370×935×1455mm
・ホイールベース:1595mm
・車重:208kg
・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
・最高出力:73PS/9000rpm
・最大トルク:6.9kgf・m/6500rpm
・燃料タンク容量:16L
・変速機:6速リターン
・ブレーキ:F=90/90-21、R=150/70R18
・タイヤ:F=ダブルディスク、R=シングルディスク
・価格:145万2000円
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/470630/
【試乗】電制装備を充実したテネレ700。高いオフロード性能に、ツーリングでの利便性と快適性をプラス!【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/470630/470669/


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