【速報】スズキ新型ネオレトロ「GSX-8T」「GSX-8TT」が世界初登場! 「T500」の名を継ぐクラシックスポーツ

【速報】スズキ新型ネオレトロ「GSX-8T」「GSX-8TT」が世界初登場! 「T500」の名を継ぐクラシックスポーツ

 7月4日にスズキから、2気筒エンジンを搭載した「GSX-8T」とその上級グレードの「GSX-8TT」の2台が発表された。「T500」をオマージュしたというこのバイクは、ネオレトロデザインを纏ったネイキッドモデルに仕立てられていた。

 
文/後藤秀之
 

「T500」の魂を受け継ぐ2台の新しい「T」

 スズキのグローバルモーターサイクルのサイトにビリヤードの8ボールが示され、「8」に関する何かが7月4日に発表されると予告された。「スズキ」「8」で思い起こされるのは、並列2気筒の776cc(※国内モデルは775ccと表記される)エンジンを搭載した「GSX-8S」と「GSX-8R」だろう。

 そして、7月4日に発表されたのは、スポーティなネイキッドモデル「GSX-8T」とビキニカウルやアンダーカウルを装着した上級グレードの「GSX-8TT」の2台である。この2台は予想通り「GSX-8S」と「GSX-8R」の他に「Vストローム800」と「Vストローム800DE」にも搭載されている水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒の776ccエンジンを搭載している。



「GSX-8T」は軽快な走りで街中や峠道はもちろん、ツーリングでも良い相棒になるであろう。



「GSX-8TT」はよりスポーツマインドを高める装備で、幅広いライダーから支持を得そうだ。

 スズキの過去のモデルで「T」が付くスポーツバイクと言えば「T500」があり、スズキは「タイタン」の愛称で呼ばれたこの「T500」を彷彿とさせるデザインに仕上げたと発表している。実際に「GSX-8T」と「T500」と並べた写真も公開されており、「GSX-8T」の「T」は、「T500」の「T」を表していると思われる。そして、上級モデルである「GSX-8TT」のもうひとつの「T」は、「Timeless」の「T」を取ったもので、クラシックバイクを現代に甦らせるという意味が込められているという。

 1968年に登場した「T500」は量産車としては世界初の500cc 2サイクル2気筒エンジンを搭載したスポーツモデルで、「2サイクルのスズキ」の名を確固たるものとしたモデルだ。搭載された空冷2サイクル直列2気筒492ccエンジンは、最高出力47PS/6500rpm、最大トルク5.5kg-m/6000rpmを発生し、最高速度181km/h、0-400m加速13.2秒という性能を発揮した。1969年のマイナーチェンジではキャスター、フロントフォークオフセット、トレールを変更するとともに、ハンドルをブリッジ付きのものとして高速時の走行安定性を向上させた。そして1970年には後継モデルとなる「GT500」へとモデルチェンジし、1971年には3気筒543ccエンジンを搭載した「GT550」へと進化したスズキの2ストロークスポーツバイクの金字塔的モデルと言えるだろう。



1968年に登場した「T500」は、その高性能から「2サイクルのスズキ」の名を確固たるものとしたモデルだ。



1969年にマイナーチェンジが行なわれた「T500」は、高速走行性能を中心に改良が行なわれた。



1971年に「GT500」へとフルモデルチェンジを行ない、高い走行性能はさのままによりモダンなデザインとなった。



1972年に登場した「GT550」では50PSを発生する3気筒エンジンを搭載し、ディスクブレーキが装備された。

 
 
 

スタイリッシュなスズキ流ネオレトロデザイン

 まず、そのデザインを見ていこう。予想では過去のGSX系モデルのデザインを踏襲したネオレトロモデルではないかとの声が多かったのだが、蓋を開けてみるとネオレトロ路線ではあるもののラジエターシュラウドが主張する近代的なテイストを強く感じさせるもの。ただ、ストリートファイターの「GSX-8S」とは異なり、独立したフューエルタンクの下にラジエターシュラウドがデザインされ、丸型のライトを採用したネイキッドモデルに仕立てられている。シュラウドには勝負球を意味するビリヤードのエイトボールをイメージした立体エンブレムが配置されており、これがティザー映像の8ボールにつながっている。この専用デザインのフューエルタンクは16.5Lの容量があり、長距離ツーリングにも対応している。ヘッドライトは1960年代から70年代のスズキバイクのヘッドライトからインスピレーションを得た、フラットボトムのモノラウンドヘッドライトで、LEDを採用することで明るく効率的な配光を実現している。「GSX-8TT」には1970年代後半から1980年代前半のビキニカウルを彷彿とさせる専用ヘッドライトカウルを装備。コンパクトなサイズでありながら、緻密な空力形状により、効果的な防風効果と高速走行時の風圧低減する。

 シートはネオレトロネイキッド的なデザインではなく、シャープに切り上げられたスポーティなデザインを採用。「GSX-8T」には1960年代から70年代のタックアンドロールシートにインスパイアされたスタイリッシュなシートが、「GSX-8TT」には専用ステッチを施したシートがそれぞれ装備される。その他、メーターには5インチのカラーTFT LCD多機能インストルメントパネルを採用することで多彩な情報を分かりやすく表示し、急速充電にも対応したUSB Type-Cソケットも標準装備されている。ミラーはスポーティさを強調するバーエンドタイプとされ、「GSX-8TT」にはスポーティさを強調する専用設計のアンダーカウルも装備されている。



定評のある776cccの直列2気筒エンジンをスチールフレームに搭載し、高い走行性能を発揮する「GSX-8T」。



ビキニカウルとアンダーカウルを装備し、よりスポーティでレトロテイストを強めた「GSX-8TT」。



コックピットの中央には5インチのカラーTFT LCD多機能インストルメントパネルが配置され、ミラーはバーエンドタイプとなる。

 
 

高性能な2気筒エンジンをスチールフレームに搭載

 エンジンは先にも触れたように「GSX-8S」や「GSX-8R」、「Vストローム800」、「Vストローム800DE」などに搭載されている、270°クランクを採用した水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒の776ccだ。スズキのグローバルサイト上では最高出力と最大トルクが掲載されていないのだが、「GSX-8S」が最高出力59kW(80PS)/8500rpm、最大トルク76N・m/6800rpmで、「Vストローム800」が最高出力60kW(82PS)/8500rpm、最大トルク76N・m/6800rpmなので、これに近い出力とトルクであると考えられる。

 ライディングシーン、路面状況、好みのライディングスタイルに合わせて、ライダーのパフォーマンスをより良くサポートするスズキドライブモードセレクター(SDMS)や、3つのモード+OFFを備えたスズキトラクションコントロールシステム(STCS)、ライダーのあらゆる意図に忠実に応えるスロットルアクションを実現するライドバイワイヤ式電子スロットルコントロールシステム、アップダウン対応のクイックシフトなど電子装備も充実。さらに、スターターボタンを素早く押すだけでエンジンを始動するスズキイージースタートシステムや、ローRPMアシスト機能も備わり操作性も高められている。

 フレームはスチール製で、ねじり剛性を高めた独自の形状の軽量アルミスイングアームと組み合わされ、快適性、直進安定性、そして軽快なハンドリングを実現。このフレームに組み合わされるサスペンションは前後ともKYB製で、フロントにはスムーズでコントローラブルな乗り心地を提供する倒立タイプフロントフォーク、リアには俊敏性と安定性に貢献する調整式リンク式リアサスペンションとなっている。フロントブレーキにはデュアルラジアルマウントフロントディスクブレーキキャリパーと310mm径のディスクが組み合わされ、確実な制動力とコントロール性が提供される。



Metallic Mat Steel Green



Metallic Mat Black



Candy Burnt Gold



Glass Sparkle Black



Pearl Mat Shadow Green

 2ストロークがほぼ絶滅してしまった現代に復活した「T500」の魂を受け継ぐ「GSX-8T」と「GSX-8TT」。この2台にはスポーツ性の高さをどうしても期待してしまうのだが、その期待に沿ったバイクに仕上げられているのだろうか? 「GSX-8S」のスポーティさを考えれば、それは心配する必要はないだろう。2025年の夏頃から欧州、北米を中心に世界各国で順次販売されるとのことなので、日本での発売が待ち遠しい2台である。

GSX-8T/GSX-8TT主要諸元(2025)

・全長×全幅×全高:2115×775×1105mm

・ホイールベース:1465mm

・シート高:815mm

・車両重量:201/203kg

・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒776cc
・変速機:6段リターン

・燃料タンク容量:16.5L
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク

・タイヤ:F=120/70-17、R=180/55-17

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/472494/

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