バイクの走行中、突然ハンドルがブルブルと小刻みに振動した経験がありますか? これは「シミ−現象」と呼ばれるもので、もし発生するとハンドルのコントロールが難しくなり、そのまま走行するのはとても危険です! では、なぜこうした現象が起こり、どんな対処法などがあるのでしょうか?
文/平塚直樹
シミー現象には低速と高速がある
シミー現象とは、走行中にハンドル全体が細かく振動する現象で、バイクだけでなく、4輪車や自転車でも起こります。
よく、荒れた路面などでもハンドルが振られたり振動が伝わることもありますが、その場合は加速してスピードが上がるほど振動が大きくなるのが一般的です。
一方、シミー現象の場合は、比較的低速の40~50km/hで発生しやすいといわれます。しかも、加速していないのにハンドルの振動がだんだんと大きくなることも多いようです。また、シミー現象には、100~120km/hの高速走行時に発生するケースもあるとされており、40~50km/hで発生する「低速シミー」に対し、高速時に発生するものは「高速シミー」と呼ばれています。
そして、これらの現象が起こると、ハンドルの振動がだんだんと大きくなり、転倒や重大な事故につながる危険性も大に! そのままライディングを続けられなくなります。
バイクのシミー現象が起こる主な原因
このように、発生してしまうと、とても怖いのがシミー現象。その原因は複数あるといわれていますが、主にタイヤやホイールに関連する不具合が多いようです。以下に、主な原因を挙げてみましょう。
【タイヤの空気圧不足】
空気圧の極端に低いタイヤは、クッション性が低下し、路面からの振動が吸収できなくなり、シミー現象が起こりやすくなります。また、タイヤの空気圧が適正値よりも低い状態で走行し続けると、シミー現象だけでなく、タイヤのパンクやバーストの原因となり、とても危険です。
タイヤの空気圧はこまめにチェックするようにしましょう。
【タイヤの偏摩耗】
一般的に、バイクのタイヤは走行するうちに摩擦で摩耗します。ただし、何らかの要因でその摩耗が偏った減り方をすると、タイヤの回転に抵抗がかかり、振動が発生。シミー現象の原因のひとつになります。とくに、フロントタイヤが偏摩耗した場合にシミー現象は起こりやすいといわれています。
ちなみに、偏摩耗も含め、タイヤの溝が少ないと、ハイドロプレーニング現象の原因にもなるといわれています。ハイドロプレーニング現象とは、雨天時などに、水膜がタイヤと路面の間にできることで、タイヤが浮いてハンドルやブレーキ操作が制御できなくなる現象です。くれぐれも、タイヤの溝があるかどうかは走行前に点検し、残り溝の深さが法定限度(最低基準)である0.8mm以上であるか否か確認しましょう。
【ホイールバランスの狂い】
ホイールバランスとは、タイヤとホイールを組み合わせて空気を入れた状態での重量バランスのこと。通常は、ホイールにバランスウェイト(重り)をセットして調整し、均等で安定性の高い回転を実現するように調整されています。
ところが、このホイールバランスが何らかの原因で狂ってしまうと、走行中にハンドルがブレたり、車体が振動したりしやすくなり、シミー現象の原因にもなります。特に高い速度域での走行時に起こるシミー現象、前述の高速シミーが発生する危険性が高まるといわれています。
【地面との共振】
路面のギャップや凹凸がタイヤに衝撃を与えることで、シミー現象が起こる場合もあります。この場合は、路面からの衝撃でタイヤが不規則な回転(振動)を起こし、ステアリングや足まわりなどの持つ固有の振動数と一致(共振)することで、振動がどんどん増幅され、シミー現象につながるといわれています。
【その他】
ほかにも、フロントフォークの歪みなど、足まわりの異常が原因となる場合もあります。また、荷物積載用のリアボックスに、積載制限を超える重い荷物を積んだ場合も、重心がリア側に偏り、フロント側が軽くなることで車体のバランスが崩れて起こるケースもあるようです。
なお、これら原因は、単一でシミー現象を起こす場合もあれば、複数の原因が絡む場合もあるため、一概にはいえません。いずれにしろ、原因の多くはバイクにあるため、常日頃から整備・点検などをきちんと行うことで予防することが大切です。
走行中にシミー現象が起きたら?
シミー現象は、以上のような要因で起こりますが、いつ起こるのかは不明。もし、走行中に突然起こった場合は、パニックにならず、できるだけ冷静に行動するのが一番。主な対処方法は以下の通りです。
【まず走行をやめる】
走行中に突然発生するシミー現象は、ハンドルをコントロールすることが困難になります。そのため、そのまま走り続けることは危険。前述の通り、事故や転倒につながるため、できるだけ早急に止まることが重要です。
【急ブレーキは厳禁】
ただし、この場合、急ブレーキをかけるのは禁物。振動を抑えるためハンドルをしっかり押さえながらゆっくりと減速し、安全を確保できそうな路肩に停止しましょう。
【停車する場所にも注意】
とくに、路肩に停車する場合、たとえば、コーナーの途中にある路肩などは、後続車から追突される危険があるので厳禁。できるだけ、見通しのいい直線路の路肩で止まりましょう。
また、高速道路の場合は、バイクを路肩に停めたら、バイク後方に三角停止版を表示するなどの処置後、できるだけ早くガードレールの外へ避難することが重要。同じく、後続車から追突される危険を避ける必要があります。
【停車後はバイクを引き上げてもらう】
そして、停車後は、レッカーサービスや行きつけのバイクショップなどに連絡し、バイクを引き上げてもらいましょう。くれぐれも危険なので、そのまま乗り続けないようにしましょう。
バイクショップなど専門家に整備や修理を依頼
シミー現象は、前述の通り、タイヤや足まわりなどの異常が原因になります。つまり、バイクの方に問題がある場合が多いため、もし発生したら、そのまま放置してはいけません。必ずバイクショップなど専門業者に依頼し、愛車の部品に損傷や問題がないかを確認してもらいましょう。そして、その後、修理や整備などを行うことで、問題を解消してから乗るようにしましょう。
もし、シミー現象がたまにしか起きない場合でも、そのまま走行を続けるのは危険です。また、シミー現象の原因の特定や修理は素人が行うことは難しいため、専門の業者に依頼することをおすすめします。
*写真はイメージです
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/bikenews/507175/
突然ハンドルが暴れる!? バイクの「シミー現象」の正体と対策【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/507175/507199/






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