バイク用水素エンジンの実現へ! 垣根を超えて国内4メーカーが共同研究スタート

広島サミットにカーボンニュートラル車が一挙集結

G7サミット初日に発表され、会場にも展示されたホンダのEM1 e:(29万9200円)。モバイルパワーパックe:と充電器がセットだ。一充電あたりの走行距離は53km(30km/h定地走行テスト値)
G7サミット初日に発表され、会場にも展示されたホンダのEM1 e:(29万9200円)。モバイルパワーパックe:と充電器がセットだ。一充電あたりの走行距離は53km(30km/h定地走行テスト値)

 5月19日に開幕したG7広島サミットに合わせ、ひろしまゲートパークプラザ(旧広島市民球場)でカーボンニュートラル車関連の展示会も実施。前述の水素エンジン関連や、二輪用交換式バッテリー使用バイクも展示された。

 展示会は「Diversity in Carbon Neutrality -カーボンニュートラルにも、多様性を。- 」と銘打ち、乗用車、商用車、軽、バイクを含むBEV、水素エンジン車、合成燃料など合計35台の車両を披露。世界に向けて、日本のカーボンニュートラル車の現状を発信することが目的だ。

 同日にホンダ初の一般向け電動コミューター、EM1 e:が正式発表され、会場に展示されたこともトピックだ。共通規格を採用した交換式バッテリー「ホンダモバイルパワーパック e:」を使用したEVでは初の個人向けモデルとなる。

今秋ジャパンモビリティショーの動きに期待!

脱炭素社会を実現するには、EVという一つのエネルギーだけではなく、様々な手段から全方位の取り組みが求められている。水素エンジンはその一つの取り組みだ。※図はHySE説明会より
脱炭素社会を実現するには、EVという一つのエネルギーだけではなく、様々な手段から全方位の取り組みが求められている。水素エンジンはその一つの取り組みだ。※図はHySE説明会より

 5月18日に日本自動車工業会が行った記者会見で、日高祥博副会長(ヤマハ社長)は、HySEを設立した上で、次のように発言している。

「バッテリーEVも一つの正解。バッテリー資源が限られる中、エコシステムが必要です。(ガチャコのような)共通バッテリーの方がリユース、リサイクルにつながる」

 ホンダは2050年までに10モデル、2030年には世界販売で15%にあたる350万台を電動バイクにすると発表。ヤマハも2035年までに2割を電動バイクにして、2050年にCO2排出量実質ゼロを目指す。

 こうしたEVの開発研究と同時に、水素エンジンにも活路を見出していく。エンジンを否定するのではなく、現行の内燃機関を使用することでカーボンニュートラル社会を実現していくマルチパスウェイが求められているのだ。

 ライダーにとっても、電動モーターのフィーリングではなく、エンジンを継続使用できる水素エネルギーの存在は大きな希望になる。

 HySEは6月に設立される予定で、ヤマハ発動機執行役員の小松賢二氏が理事長に就任する予定。まだ研究は始まったばかりだが、名称を変更したジャパンモビリティショー(11月開催)で何らかの成果を発表してほしいものだ。

【画像ギャラリー】タンクはバイクのココに搭載!? 水素エンジンの詳細を見てみる(12枚)画像ギャラリー

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