■意外なバス像が見えてきた
自分が入っている最中の、食べ物屋のレビューを店内で見ると純粋に楽しめなくなるのと同じく、バス車両もまた、真の姿を知るのは自宅に戻ってから。
高知県で乗車した、高知東部交通の古い中型路線車は、三菱ふそう製の「エアロミディMK」という車種が正解だった。
型式で言うところのU-MK218J。現地では物凄く古そうな年式に思えたのだが、なんと1995年に製造された車とのこと。型式としては1993年9月〜95年5月までのタイプに相当する。
バスのシフトレバーも、1980年代中頃には既にフィンガーシフトが実用化され始めていて、長いレバーは1980年代が最後かと思いきや、1990年代後半〜2000年代始め頃まで新車で作れたのが真相で、かなり意外。
しかも1993〜95年までのエアロミディMKは、長いシフトレバーの方が標準で、フィンガーシフトはオプション装備だったらしい。予想と結果が大きく離れるのも、趣味レベルの話なら刺激になって楽しい。
それにしても木張りの床板まで1995年時点で新しいものが存在していたとは……激シブな超旧年式と見せかけて、2024年現在で車齢29年。
車齢30年を超える、同様の仕様を持つ現役バス車両が他地域に存在しており、それを加味すると、高知東部交通のエアロミディMKはむしろ若い部類に入るようで、バスのバリエーション展開はつくづく奥が深いと痛感させられた。
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