北海道で唯一の「三セク鉄道の代替バス」へと変わった旧・ふるさと銀河線!! 鉄道時代のプロファイルが濃厚すぎる!!

北海道で唯一の「三セク鉄道の代替バス」へと変わった旧・ふるさと銀河線!! 鉄道時代のプロファイルが濃厚すぎる!!

 北海道で国鉄・JRが運営していた鉄道線が廃止になると、その後は路線バス(代替バス)が現地の公共の足を継ぐのが定型のような流れになっている。その中で、一度は第三セクターの鉄道として生まれ変わった路線があった。北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線だ。

文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、ふるさと銀河線まつわる写真があります)

■肩書きの多い元・国鉄線

ふるさと銀河線で使われていたCR75形ディーゼルカー
ふるさと銀河線で使われていたCR75形ディーゼルカー

 第三セクターの北海道ちほく高原鉄道が運営していた「ふるさと銀河線」は、十勝地方の帯広から約24km先の現・JR根室本線の池田駅と、JR石北本線の北見駅との間を、日本一寒い町で知られる陸別を経由して結ぶ鉄道線だった。

 元々は国鉄が開業させたもので、全通は1912年。当初は網走本線と呼ばれ、池田〜網走〜札弦が全区間となっていた。

 1961年に路線が再編されると網走本線の名称がなくなり、池田〜北見間の140kmが単一の路線に分離して、新しく「池北線」の路線名が付いた。

■平成に生まれて平成に消えた

 その後の池北線の営業成績はあまり芳しいものとは言えず、昭和後期に大鉈が振るわれた赤字線廃止の対象となり、国鉄では池北線を廃止する方向で整理を進めていた。

中継地点的存在だった陸別駅。今も鉄道設備が一通り整備保存されて観光資源になっている
中継地点的存在だった陸別駅。今も鉄道設備が一通り整備保存されて観光資源になっている

 同じ北海道の名寄本線などで見られたのと同様、代替交通が決まるまでの暫定措置と思われるが、国鉄がJRへと変わってからも運営は続けられた。その際に、第三セクターとして存続させる案が浮上し、実現する運びとなった。

 こうして1989年6月に、鉄道の運営をJR北海道から第三セクターの北海道ちほく高原鉄道に移管、「ふるさと銀河線」として再スタートを切った。

陸別周辺は廃線後も線路が整備され、実際の車両を使用した体験コースになっている
陸別周辺は廃線後も線路が整備され、実際の車両を使用した体験コースになっている

 当初は通学利用が多かったことで好調な滑り出しを見せていたと言われる。ところがあまり長くは続かず、沿線人口の減少などから利用が低迷。

 赤字経営が続き、資金調達の問題も大きく経営の見込みが立たなくなり、残念ながら2006年4月に全区間が廃止となった。平成元年に生まれ、平成18年に役割を終えた、ごく短命の路線であった。

■ふるさと銀河線とバスとの関係

 ふるさと銀河線は、延長140kmという非常に長い距離が最大の特徴であった。JRとは異なるタイプのディーゼルカー(CR70/CR75形)が走り、全区間の所要時間は普通列車で3時間前後。

陸別へ向けてラストスパートをかける北海道北見バス担当の代替バス
陸別へ向けてラストスパートをかける北海道北見バス担当の代替バス

 上り/下りそれぞれ、時期によって異なるが区間便を含めて13〜16本程度の列車があり、うち池田〜北見間を通しで走るものが、4〜5往復くらい出ていた。

 その昔、国鉄から続く鉄道線といえば、その脇に競合関係となる路線バスが並行して走っているのも、そう珍しくはなかった。

旧・陸別駅は道の駅になっているほか、出入口の前に代替バスの乗り場が置かれている
旧・陸別駅は道の駅になっているほか、出入口の前に代替バスの乗り場が置かれている

 ふるさと銀河線の現役時代はどうだったのか。当時の時刻表を確認してみると、帯広寄りの池田〜足寄間に十勝バス、北見エリアに近い置戸〜北見間には北見バスの路線が、ふるさと銀河線と並走する形で通っているのが見て取れる。

 一方で途中の足寄〜陸別〜置戸間およそ65kmには、線路に沿って進むような路線バスはなかったようだ。

次ページは : ■三セク鉄道の代替バスが走る場所

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