2社が運行するJR日高線代替バスの静内〜浦河間……同じ区間なのに30分以上も違うワケとは?

2社が運行するJR日高線代替バスの静内〜浦河間……同じ区間なのに30分以上も違うワケとは?

 鉄道の一部区間廃止後に代替バスが走るようになったJR日高線。2026年現在は複数のバス路線に分割されていて、うち途中の静内〜浦河間は2社によって路線バスが運行されている。

文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、日高線代替バス静内〜浦河間の写真があります)

■JR北海道バスと道南バスの2社立て

静内駅でJR北海道バスと道南バスが並んで休憩中
静内駅でJR北海道バスと道南バスが並んで休憩中

 JR線相当で82.1km地点の静内と、130.3km地点の浦河に相当する区間を鉄道に代わって走るのが、JR北海道バスの「日勝線」と、道南バスによる「静内浦河線」だ。

 競合ではなく、1枚の同じ時刻表に掲載される共同運行に近いスタイルが採られていて、バス停も多くの場所で1本の標識を共用している。

静内は日高線代替バスの象徴的な中継地点
静内は日高線代替バスの象徴的な中継地点

 JR北海道バスのトレードカラーが青で、道南バスは緑。共用バス停標識が青と緑で縦に塗り分けされている、アメコミのヴィランを彷彿とさせる2色のコントラストが見どころだ。

■同じ区間なのに30分以上違う!?

 鉄道が元々ローカル線だったのもあり、本数自体はそれほど多くないので、JR北海道バスの便/道南バスの便を自由に選ぶのはちょっと難しく、訪れた時間で決まるところが大きい。

JR北海道バス日勝線。JR担当便は静内〜浦河と、鉄道の終点だった様似まで直通する
JR北海道バス日勝線。JR担当便は静内〜浦河と、鉄道の終点だった様似まで直通する

 運行ダイヤに目を通してみて気になるのが、ほぼ同じ区間を結んでいる鉄道の代替バスでありながら、道南バスとJR北海道バスとで所要時間が異なる点。

 JRバスの便が、静内〜浦河(浦河町役場)間を利用した場合1時間49分なのに対して、道南バスの場合は1時間10分と、だいぶ開きがあるのだ。

■しっかり代替と、ちょこっと代替

 どこかで長時間停車でもするのか、それとも細かな経路が違うのか……2023年と2025年に2社の便をそれぞれ利用して、乗り比べをしてみたところ、所要時間に差が出るワケは後者が大きいようだ。

日勝線で移動中。鉄のレールがまだ残っている廃線跡を並走
日勝線で移動中。鉄のレールがまだ残っている廃線跡を並走

 JR北海道バスの便は、日高線の代替バスの役割をより強く持っており、メインルートになる国道235号から外れた、側道沿いにあった駅跡にも小まめに立ち寄る。

 一方道南バスの便は、メインルートは同じながらも側道に駅があった場所は省略する、ショートカットタイプの経路になっていて、代替バス的な要素はJRの便よりもやや薄め。

道内屈指のオーシャンビュー路線
道内屈指のオーシャンビュー路線

 国道から離れる距離もキロ単位になるケースが多いため、かかる時間もそれなりにプラスされるのは自然な流れで、JR北海道バスの便と道南バスとで大きな時間的違いが生まれているわけだ。

■一般路線バス的な“乗り得”便がある?

 2025年9月に、静内〜浦河間を道南バスの便で利用した際、やってきた車両の種類に大きな特徴があった。

 基本的には道南バス/JR北海道バスの便ともに大型路線車が使われているが、当日の便では、高速バスに使われるハイデッカータイプの車(トイレ付き)が当たった。車種はいすゞガーラ。

静内〜浦河エリアを結ぶ道南バスの静内浦河線。訪問当日にはハイデッカー高速車が入った
静内〜浦河エリアを結ぶ道南バスの静内浦河線。訪問当日にはハイデッカー高速車が入った

 バス自体はあくまで一般路線なので運賃は通常と変わらず、前乗り・前降りの運賃後払い整理券方式だ。

 静内〜浦河を通るバスの中に、道南バスが運行する札幌〜浦河間を高速道路経由で結ぶ「高速ペガサス」号があり、恐らく浦河始発便の車両送り込みを兼ねた間合い運用だったようだ。

トイレ付きの長距離対応車が普通の路線バスに使われる贅沢
トイレ付きの長距離対応車が普通の路線バスに使われる贅沢

 居住性では路線車よりもハイデッカー高速車が数段勝るゆえ、非常に“乗り得”な便が混じっている、と言える。

 海系の美麗な景色が続く車窓の魅力も、高所から見下ろせるハイデッカー車ではより一層引き立つ気がする。

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