旅先で「ここちょっといいね」と思ったスポットを見つけて、では行ってみようと決めた際、マイカーやレンタカーで移動しているならアクセスは至って簡単快適であるが、公共交通機関に足を頼っている状況下となると話はかなり変わってくる。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、レンタカーなし社会科見学の行程写真があります)
■炭坑のある町・釧路
北海道の東側・釧路といえば観光でも定番の目的地あるいは中継地点であるが、釧路は現在でも海底で石炭を掘っている「炭坑のある町」という、日本ではここにしかない貴重な一面を持っていて、鉱山LOVEな向きには見逃せない場所だ。
釧路の炭鉱施設は市街地から数km離れたところにあり、公道から各施設を観察できたりする。以前は非常にユニークな形態の貨車を使用した石炭列車が走っていたことでも一部で知られていたが、こちらは残念ながら2019年に廃止されてしまった。
このほか、過去に炭鉱を運営していた企業の、釧路の炭鉱にまつわる歴史や資料・使用されていた機材などを展示した施設「太平洋炭礦 炭鉱展示館」がある。一般的にはえらくディープなテーマかもしれないが、ディープな分だけオトナの知識欲を刺激するには十分役者が揃う魅惑のスポットだ。
■ちょっと遠いのが、ね
2025年9月、釧路に一泊した翌日。この日は昼の13時頃まで予定が空いていて、それなら周辺で見学できそうな場所へ行ってみようと考え、上記の炭鉱展示館が候補に挙がり、釧路には何度か来ているけれど、そういえば炭鉱資料館には行ったことがなかったなと、そのまま決定。
見に行くと決めたまでは良かったものの、問題が一つ。炭鉱展示館はJR釧路駅周辺に広がるホテルエリアからは、ちょっと遠いのだ。当日の足の主軸は公共交通機関であって、レンタカーなしの状況である。
実距離でおよそ5km、さらに高台にあるため駅方面から行くと上り坂が少々続く。クルマなら運転していくだけで済む話だけれども無い袖は振れず。
バスの一つでも通っていそうな気はしなくもない。ところがホテルをチェックアウトした後で、即興で行こうと決めてしまった手前、アクセス情報をじっくり調べる余裕ほぼナシ。
■出たとこ勝負→大体こうなる
その場に佇んでいたら時間だけが刻々と過ぎていくし、そうなると出たとこ勝負か。とりあえず炭鉱展示館方面へ歩いて行って、進行方向上にバス停を見つけ次第バス情報を確認して、直近で来るバスがあって方向的に大丈夫そうならそれに乗って、展示館に最も近いと思われる停留所で降りる作戦にした。
しかしこの作戦、他の場所でも時々やっているが、そう易々と思い通りの青写真を描けるワケではないのがお定まり。この日も案の定、通り道にバス停見つけて時刻を確認したところ、展示館のほうへ行くであろうバス系統は3分前に行ったばかりで、次に来るのは約1時間後。
路線バスとはいつも目の前で行ってしまうもの……ここでもそんな法則が見事に発動してくださった。縁がなかったと思うべきか、「あのバス乗ったところでアンタの役には立たないよ」と暗に伝えてくれたのか、はてさて!?




