ヒョンデの電気バス「ELEC CITY TOWN」試乗!! シティでもタウンでもない山岳路の走りをチェックしてきた!!

ヒョンデの電気バス「ELEC CITY TOWN」試乗!! シティでもタウンでもない山岳路の走りをチェックしてきた!!

EVバスの普及に向けて、これまで導入数を増やしている都市圏だけでなく、国内にあまたある急勾配の山岳路線や寒冷地でどうなのか。そこを確認すべく、長電バス(長野市)の協力のもと、ヒョンデのEVバス「ELEC CITY TOWN」が志賀高原を往復した。

取材協力:長電バス株式会社/Hyundai Mobility Japan株式会社
本文執筆:交通ジャーナリスト 鈴木文彦
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■山岳路線初EVバスのワクワク感

長電バス本社車庫にて待機中のエレクシティ タウン。奥に駐車中の長電バスの路線車に並ぶとちょっと浮いて見える!?
長電バス本社車庫にて待機中のエレクシティ タウン。奥に駐車中の長電バスの路線車に並ぶとちょっと浮いて見える!?

 今回試走したEVバスは韓国ヒョンデの「ELEC CITY TOWN」で、本誌vol.126で紹介した全長9m、全幅2.5mの中型(大型ショート)サイズ。長野市村山の長電バス本社から、山ノ内町を経て志賀高原蓮池までの間を往復する予定だ。4月上旬の当日の天候は曇りで、寒冷地という状況ではないが、標高350m程度の長野市郊外から1,550mの蓮池までの上り下りに期待がかかる。

 出発してしばらくは、国道18号から県道に折れて信州中野を経由し、国道292号へと進む。聞こえてくるのはあえて接近を知らせる意味で発している音とスタッドレスタイヤのうなりだけで非常に静粛で、乗り心地も快適である。対向車の注目を集めていることがわかるが、EVだからなのかどうかは何とも言えない。バッテリーほか機器を搭載した屋根のカバーが張り出してかなり“背高のっぽ”に見えるので、“変わったバス”という関心を集めたのかもしれない。

■上り勾配のスムーズな走りと下り勾配の回生のすごさ

「スノーモンキーパーク」で長電の急行便に遭遇。観光客が多く乗車する。ほとんどがインバウンド客だ。エレクシティ タウンも並んで待機
「スノーモンキーパーク」で長電の急行便に遭遇。観光客が多く乗車する。ほとんどがインバウンド客だ。エレクシティ タウンも並んで待機

 1時間弱で山ノ内町の「道の駅北信州やまのうち」に到着、ここで山々をバックに撮影をした後、いよいよ山岳コースに踏み込む。ここからの運転はわがチームの最強ドライバー-近田レポーターだ。運転の感覚や実際クルマがどうだったかは別途近田レポーターから詳しく報告される(バスマガジンvol.133をお楽しみに!!)のでそちらにお任せするとし、こちらはあくまで乗客としてのレポートに徹することにしよう。

 インバウンド観光客に大人気のスノーモンキーパークのバス乗り場で長野と志賀高原を結ぶ急行バス、湯田中駅を結ぶ路線バスと顔を合わせたのち、再び国道へ。スノーモンキーパークの標高が約850m。これから志賀高原蓮池まで、700mの高低差をクリアすべくバスを進める。

 どう表現したらよいだろうか。急勾配・急カーブの山道を登っていくのだから、“力強く”登っていくと言えばそれらしいイメージになるのだろうが、どうもそれは当たらない。近田氏の技量の高さも手伝って、むしろ“難なく”“普通に”登っていくと言った方が近い。たとえば、ディーゼルバスに乗り慣れている感覚からすると、「あっ、ここでシフトダウン」と思うところでスピードも変わらずスイッと上ってしまう。急カーブでの減速はあっても40km/h前後をキープしながら、まさにスイスイと登って行った。

志賀高原山の駅に到着。スキーシーズンも終わり、ロッジはクローズ状態だったが、ここをポイントとする観光客の姿は少なくない。ここでは長電バスの急行車、路線車と一時ランデブーというラッキータイムとなった
志賀高原山の駅に到着。スキーシーズンも終わり、ロッジはクローズ状態だったが、ここをポイントとする観光客の姿は少なくない。ここでは長電バスの急行車、路線車と一時ランデブーというラッキータイムとなった

 志賀高原蓮池の山の駅で休憩がてらまたさまざまなシーンの撮影を行ったのち、同じルートを戻る。道の駅北信州やまのうちまで路線バスの営業キロで14.4kmの間1,000mぐらい降下するので、およそ7%の勾配を下っていくことになる。ここで回生ブレーキの出番だ。「ELEC CITY TOWN」では、一般的な道路条件での「回生1」と急勾配向けの「回生2」が装備され、ここは「回生2」で下っていく。乗っている感覚ではディーゼルの排気ブレーキを強めにした感触で抑速が行われる。

 往路、道の駅北信州やまのうちから蓮池までの上りで約24%の電力を消費したそうだ。そして今回生しつつ下ってきて、160kwのモーターから得られた回生エネルギーは12%の電力回生だった。そのため単純計算となるがこうした急勾配区間が続くかなり厳しい条件下でも,回生の効果で156km程度の航続距離は確保できることになる。

 このような試乗会で実際の路線を走行し、電費を確認する事で実運行のシミュレーションが出来るので電気バス導入への不安は和らぐだろう。

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