「キングオブ深夜バス」の名をほしいままにした西日本鉄道の「はかた号」は、バスタ新宿と北九州・福岡を結んでいる。この区間を昼行バスだけを乗り継いでいけばどうなるのか?現行ダイヤで調べてみた。マニアでもしり込みするほどの長時間の乗りバス旅になりそうだ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■そもそもはかた号とは?
西日本鉄道と京王帝都電鉄(現・京王バス)が1990年に共同で運行を開始した、福岡市と東京都新宿区の1000キロメートルあまりを結ぶ日本最長距離(当時)の高速バスだ。当時は福岡市と新宿を直結していたが、山陽自動車道や新東名高速道路等の供用開始により距離・所要時間に余裕が出たことから、現在は北九州市にも停車している。
京王バスは、開業後まもなく運行から撤退したが運行支援は続けており、現在は西日本鉄道の単独で運行が続く。当初は西鉄・京王が各1往復の2便体制で運行し、西鉄は三菱ふそうエアロクイーン・西日本車体工業のスーパーハイデッカーを投入した。
後部をサロンにした特別仕様車でサロンは定員外座席として雑誌や本を置き、喫煙や飲食等の休憩使用に供された。当時の夜行高速バスでは標準装備だった給湯機によるお茶やコーヒーの提供、西鉄と杉本工業の共同開発によるスリーピングシートを装備する等の豪華長距離バスの先駆けとなった。
■異例の途中給油があった
はかた号は当初は中央自動車道を経由して新宿に向けて走っていたが、途中で給油が必要だったので休憩後にガソリンスタンドに立ち寄り給油を行っていたのが超長距離バスを感じさせた。
現在では燃費の向上や経由する高速道路が変更になたことで無給油で走る。またバスタ新宿(渋谷区)が現在の東京側発着地となっているが、2号車が出る場合の当該車は新宿西口(新宿区)からの発車なので繁忙期は注意が必要だ。
最盛期には1便に何台もの続行車が出て、西鉄バスがキャラバン状態で首都高速を爆走する姿が見られたが、現在でも2号車が出ることはよくある。ダブルデッカーを投入した時期もあったが、現在は三菱ふそうの純正エアロクイーンで前方4室が個室、後方が独立3列シートというシート配列で運行されている。