町田→新宿を路線バスだけで移動する……想像を遥かに超える壮大さに加え、なにかと無駄が目立つこのチャレンジ。あらかじめ3つほどルートを考え、1つを選んで実行した。では、残りの2ルートを選んでいた場合、どんな結果が待っていたのだろうか。
文・写真:中山修一
(町田→新宿バスチャレンジ関連写真はバスマガジンWEBもしくはベストカーWEBをご覧ください)
■相鉄寄せルートで実践
実践した様子については別記事で先に紹介した。改めて記しておくと、チャレンジするにあたって選んだのは、町田→長津田→若葉台→横浜→川崎→五反田→渋谷→新宿、というルート。途中、相鉄線沿線に寄せながら新宿へと徐々に迫っていく趣向だ。
その結果、土曜日の朝9時前に町田を出発して、新宿に着いたのが16時ちょっと前。まさか1日潰れる騒ぎになるとは思わなかったが、何とか最後まで辿り着けた。まとめデータは以下の通り。
【相鉄線寄せルート】
・バス会社:神奈中バス、横浜市営バス、東急バス、京王バス
・乗るバス:7本
・移動距離:64.7km
・所要時間:7時間3分
・運賃合計:1,810円
■残る候補2ルートを検証してみる
では、今回選ばなかったルートで行っていたら、どうなっていたか。せっかくなのでシミュレートしてみた。いずれも検索で簡単に出てくるような代物ではなく、まとめデータを書くための下調べだけで4時間かかった…。
1つ目は、町田→鶴川→聖蹟桜ヶ丘→谷保→府中→多磨→調布→渋谷→新宿、と渡っていく経路。どちらかと言えば京王線沿線に寄せていくイメージだ。
時刻表を見てバスを繋げていったところ、それほど長い待ち時間もなく、割とトントン拍子に乗り継いでいける様子。ところが行程が調布に達した途端、快晴が雷雨に変わった。
調布発・渋谷行きの小田急バス「渋26系統」というのが運行しており、計画ではそれを目当てにしていた。ところがこの渋26系統、8:58と11:41発の2本しか出ていないと判明。
それを知らずに、お、バス繋がるじゃんとルンルンしながら向かっていたら、調布で手の平を返され足元から崩れる末路が待っていたわけだ。
もうすぐ着きそうな場所まで来て詰むのも犬死に感が酷いゆえ、代替ルートを探してみれば、二子玉川行き「玉08系統」の存在に気づいた。それを使えば何とか回避できるようだ。まとめデータは以下の通り。
【進路修正・京王線寄せルート】
町田→鶴川→聖蹟桜ヶ丘→谷保→府中→多磨→調布→二子玉川→駒沢大学→渋谷→新宿
・バス会社:神奈中バス、京王バス、ちゅうバス、小田急バス、東急バス
・乗るバス:10本
・移動距離:68.5km
・所要時間:8時間36分
・運賃合計:2,550円
シミュレーションの結果、土曜日の朝9時前に町田を出発すると、新宿着が18時前の見込みになった。どうしようもないスケールなのは間違いない。
■その運賃にアゴが外れそう!? 東急線寄せ
2つ目は、実行した相鉄線寄せルートに少し似ている。町田→長津田→青葉台→市が尾→新横浜→溝の口→小杉→川崎→五反田→渋谷→新宿を通る、東急線に寄せたプランだ。
土曜ダイヤでは青葉台→市が尾に直行するバスがないため、桐蔭学園でバスを乗り換える必要があった。バスの時刻的には繋がり良好で、超絶に時間を食うもテンポ自体は悪くない。まとめデータは以下の通り。
【進路修正・東急線寄せルート】
町田→長津田→青葉台→桐蔭学園→市が尾→新横浜→溝の口→小杉→川崎→五反田→渋谷→新宿
・バス会社:神奈中バス、東急バス、京王バス
・乗るバス:11本
・移動距離:81km
・所要時間:8時間15分
・運賃合計:2,960円
新横浜→溝の口間では、バスが第三京浜を通るのがミソ。それって高速バスじゃないの?と一瞬思いたくなるかも知れないが、第三京浜は一般道なのでセーフ。
こちらは土曜日の朝9時前発で、新宿着が17時過ぎの見込みだ。それにしても、新幹線使って新宿行ってもまだ安いんじゃないか? と思わせるほど、積もりに積もった運賃総額に震えた。