クルマには突然の故障も付き物だ。修理に大きなお金をかけるなら、いっそ新車に買い替えた方が良いと思うタイミングも突然やってくる。そんな困った事態にならないように、クルマの寿命が近づいているサインをいくつか紹介していきたい。コレが発生したら、要買い替え検討だ。
文:佐々木 亘/画像:AdobeStock(メイン写真=Nattapol_Sritongcom@Adobestock)
【画像ギャラリー】クルマと向き合っていくために必要な知識って無限にあるもんだなぁ(4枚)画像ギャラリー新車の頭金になりそうな修理費用は払わない方が良い
少しずつ手をかけ、悪いところをチョコチョコと直しながら、愛車に乗り続けるというのは、クルマの最高の愛で方だと筆者は思う。それだけ愛着も沸くし、それを続けることで名実共に「愛車」なるのだろう。ただし、工業製品であるクルマには、必ず故障・修理のタイミングがやってくるものだ。
一口に修理と言っても、ここにはそれぞれの段階がある。
まだ青信号の軽度の修理。修理費用としては、数千円から8万円未満のものを指す。中度で、もう少し直してお付き合いというのが黄色信号の状態。
修理費用は10万円近くから13万円前後といったところ。そして買い替えを可及的速やかに検討せざるを得ない赤信号の状態は、修理はできるが、その費用が20万円を超えてくるものと規定しよう。
なるべくなら、黄色信号の時点で次のクルマの目星をつけておき、赤信号になる前に買い替えに臨みたいところだ。赤信号状態は、お金を出せば直るものの、またいつ別の箇所の故障が起きるかわからない。
時間差で発生した場合、修理費用は50万円、そして100万円と積み上がり、新しいクルマを買った方が良かったよねと思うときが来てしまう。
こうならないために、それぞれの段階で起こる故障の種類を知っておいてほしい。
【画像ギャラリー】クルマと向き合っていくために必要な知識って無限にあるもんだなぁ(4枚)画像ギャラリーこの不具合が発生してきたらクルマ交換のサインかも
クルマには個体差があり、一概に寿命のラインがココとは言い切れないのが難しいところだ。しかしながら、クルマ自体がくたびれてくると、不具合が起きやすくなる。その箇所は、車種やメーカーが違っても、似たような場所に集中してくるのだ。
まずはマフラー関係に不具合が出始めたら要注意の黄色信号。マフラー本体に穴があくことはもちろんだが、錆による継ぎ目からの排ガス漏れや、マフラーを吊るしている金属部が疲労によって破損するなどした場合も、「そろそろこのクルマも危なくなってくるころかも」と思っておいた方が良いだろう。
さらに老化が進むと、クルマも足腰が弱くなる。スタビライザーリンク程度なら、まだ交換して乗り続けるのはOKだが、錆や劣化が原因でロアアーム類をアッセンブリ交換ともなると、赤信号に近い黄色と考えていい。
ここまで進むと、新品交換で20万円を超える部品代と整備費用がかかってくる。新車のローンの頭金になりそうな額になってきたら、早めに見切りをつけて車両購入に舵を切りたい。
【画像ギャラリー】クルマと向き合っていくために必要な知識って無限にあるもんだなぁ(4枚)画像ギャラリーHEVの心臓部の劣化は燃費の変化で気づけ
最近、多くのクルマがHEV化している。その心臓部にはハイブリッドシステムとハイブリッドバッテリーがあり、HEVではバッテリー交換が大きな費用がかかる赤信号の修理だ。
劣化が進み故障へとつながるのだが、劣化の度合いは日頃の燃費を観察しているとわかりやすい。
夏・冬は冷暖房でクルマにも燃費にも厳しい状態になるが、春秋に関しては負荷が少なくなる。夏冬よりも春秋の方が、燃費は良くなるのが健康なハイブリッドバッテリーの状態だ。
これが年中同じような数値で変わらなくなってきたら、ハイブリッドバッテリーの寿命が近づいていると考えていいだろう。
悲しき警告灯は、突然点灯するものだ。早めの決断がHEVと付き合っていくために必要なポイントとなる。
マフラー・足回り・燃費の3つに不具合が出てきたら、そろそろ買い替え時と考えてみてほしい。費用対効果をしっかりと考えて、タイミングよく買い替えを勧めることが、クルマと上手く付き合うための、勘所と言える。
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