■賞を数多く受賞した不世出のオープンスポーツカー
1993年夏のマイナーチェンジでロードスターは、心臓を1.8LのBP-ZE型直列4気筒DOHCエンジンに換装した。余裕ある走りが魅力だったが、1.6Lエンジンにこだわるファンも少なくない。
そこで最終型では再び1600シリーズを復活させている。
1998年に2代目にバトンタッチしたが、これまでに日本では12万人近い人がロードスターのオーナーになった。海外ではモデル末期まで月に1500台ラインをずっとキープし続けている。8年間の販売は30万台を超え、日本と合わせると42万台を超えた。
初代(ユーノス)ロードスターが作り上げた功績は、販売台数だけではない。トヨタ、ホンダ、メルセデスベンツ、BMW、ポルシェ、MG、フィアットなど、国内外の多くの名門自動車メーカーに強い影響を与え、たくさんの「フォロワー」を生み出した点も大きい。
なによりそれは、(高性能化、拡大化、高額化の一途を辿りつつあった1980年代終盤の「オープンスポーツカー」というジャンルにおいて)ユーザーやエンジニアに「安くて軽くて手頃なサイズのオープンスポーツカーは、楽しいし充分売れる」という実績を心に刻みつけることに成功した。
このことは、初代ロードスターが登場する以前はマツダだけが確信していたことであり、マツダという企業風土が成し遂げた偉大な功績といえるだろう。
ギネス記録を打ち立てたロードスターとマツダMX-5Miataは、欧米の自動車メーカーのクルマづくりにも大きな影響を与えている。賞を数多く受賞し、20世紀の名車100台の1台にも選ばれた不世出のオープンスポーツカー、それが初代のNA型ロードスターだ。
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