■シートベルトの役割
一般の人にシートベルトの目的について聞くと、「衝突した際に身体をダッシュボードやシートなどにぶつけないためのもの」という答えが返ってきます。
これは正解なのですが、シートベルトにはもう一つの役目があります。それは車外放出を防止するための機能です。
現代のシートベルトは肩ベルトもある3点式ですが、昔のクルマは飛行機のような2点式(最近は飛行機でも3点式が存在しますが)でした。この2点式シートベルトのおもな目的は、車外放出を抑制するためのものです。
衝突事故や横転事故などで窓が割れたり、ドアが解放したりした際にシートベルトをしていないと車外に放り出されてしまうことを防止するためのものなのです。
3点式シートベルトは前方への衝突を防止するとともに、車外放出を防ぐ役割も持っています。後席だからといって車外放出の危険性は変わりません。後席だからといってシートベルトをしないでも安全ということは一切ないのです。
■シートベルト未装着=大きな損
私は後席に乗せた人がシートベルトをしなければ、クルマを走り出すようなことはしませんが、仕事上の上下関係などをはじめとして後席でシートベルトをしない人にシートベルトを着用してもらえないこともあります。
こうした場合であっても、仮に事故が起きて同乗者がケガをしたからといって、後席乗員が責任を取ってくれるわけではありません。また、高速道路においてシートベルトが未着用で取り締まりを受けた場合、その対象となるのはあくまでも運転者です。
まずはこの法律を改正して、シートベルトをしてない人、本人を罰するようにすることが大切だと私は考えます。シートベルトをしていない人を乗せたからといって、運転者が罰せられるのはあまりに理不尽です。
私は安全運転講習会のときなどに、よく以下のように話します。
「皆さんはクルマを買うときにシートベルトの代金も支払っています。しかし、そのシートベルトを使わないのはじつにもったいないことで、「シートベルト分」を捨てていることになります。
さらに言うなら捨てたおかげで、大きな損をすることもあります」。
せっかくお金を払って買っているのに、それを正しく使わないがために損をしてしまうなんて、なんてバカらしいことなのでしょう。自分、そして同乗するすべての人を守るためにもすべての席でシートベルトをすることはとても大切なことなのです。
コメント
コメントの使い方