2021春サマータイヤを徹底チェック 注目すべきタイヤはコレだ!!

■低燃費性能を高めたオンロード向けSUV用タイヤ

4本のストレートグルーブがスッキリした上質な乗り心地と素直な操縦性を予感させる。非対称のブロックピッチ配列パターン
4本のストレートグルーブがスッキリした上質な乗り心地と素直な操縦性を予感させる。非対称のブロックピッチ配列パターン

 「プロクセス」はトーヨータイヤのスポーツプレミアムブランド。そのプロクセスシリーズの最新作として、ミッドサイズ以上のSUVに向けたオンロードタイヤとして開発されたのが「プロクセスCL1SUV」なのだ。

 昨今のSUV人気で、従来はオールテレーン(M+S)が中心だったSUV向けタイヤも、よりオンロード志向が求められてきた。オンロードでの快適な乗り心地と静粛性、さらにしっかりとした操安性を求めるとなれば、やはりオールテレーンではなく、オンロード専用タイヤが必須となる。

 プロクセスCL1 SUVは15インチから20インチまでの20サイズが設定されているが、そのすべてがタイヤラベリング制度の「A-b」を獲得。つまり、高い低転がり性能と確実なウエットグリップ性能を兼ね備えたECOタイヤだ。

 トレッドパターンはいかにも高速直進安定性に優れ、またウエット時の排水能力が高そうな4本グルーブを軸とした左右非対称パターン。イン側とアウト側でブロックピッチをずらすことでパターンノイズを低減する。また、リブ端部をテーパー形状とすることで路面接地時の圧力による変形を抑制。路面に「面」で接地することで確実な接地面積を確保し、高いグリップと操安性を生み出すのだ。

■しっとりとしたグリップ感とダンピングの効いた乗り心地

プロクセスCL1 SUVはしっとりと路面に吸い付くような操舵感と、ダンピングの効いた乗り心地が印象的
プロクセスCL1 SUVはしっとりと路面に吸い付くような操舵感と、ダンピングの効いた乗り心地が印象的

 走り出して最初に感じるのは「しっかりとした手応え感」。タイヤがしっかりと路面を捉えている感覚がステアリングから伝わってくる。

 速度を上げていくと“スーッ”とスムーズに転がっていく感覚が心地よい。ややざらついたアスファルト路面を走っても、高周波の“シャー”音はよく抑えられている。

 低転がり抵抗のECOタイヤと聞くと、手応えの薄さを心配するかもしれないが、このタイヤはそんなことはなく、むしろしっとりとしたグリップ感とダンピングの効いた乗り心地が感じられ、プレミアムコンフォートタイヤの乗り味だ。ダンピングを利かせながら適度にしなるサイドウオールの柔軟性によって重たいSUVの車重を支えながら、しっとりとした乗り心地を生み出しているのだ。トレッドブロックの剛性は高いので、操舵に対する反応はよく、イヤな遅れ感やよじれ感はない。

 今回の試乗では確認できないのだが、ロングライフ性能も自慢だという。それは、均一な接地面により、偏摩耗を抑制したことが大きく寄与しているのだという。つまり、確かなハンドリングとロングライフは共存、両立するものなのだ。

【グッドイヤー E-Grip RVF02】

グッドイヤー「E-Grip RVF02」155/65R13〜245/35R20(40サイズ)
実勢価格 1万2000円(205/60R16)
グッドイヤー「E-Grip RVF02」155/65R13〜245/35R20(40サイズ) 実勢価格 1万2000円(205/60R16)

■ミニバン専用に操安性と乗り心地をハイバランス

E-Grip RVF02は高いウェットグリップが印象的
E-Grip RVF02は高いウェットグリップが印象的

 グッドイヤーのミニバン専用タイヤとして『イーグルRV-F』があったが、モデルチェンジに際して『イーグル』ブランドから、よりエコ性能を強化した『Efficiennt Grip』(E-Grip)シリーズの一員となり、その名を『Efficiennt Grip RVF02』と改めて進化した。

 全40サイズが設定されるが、このうち実に32サイズがタイヤラベリング制度の「AA-b」、残り8サイズが「AA-c」を獲得。低転がり抵抗=低燃費性能と、高いウェットグリップを両立しているのがポイントだ。

 テストコースのウェットハンドリング路を走ったが、大きく水しぶきが上がるほどの水深でもしっかりとトレッドゴムが路面に密着し、“ジワリ”とつかみ取るようなグリップ感が高い安心感につながることを実感した。

 ドライ路では“スーッ”と滑らかな転がり感とソフトな乗り心地が印象的。試乗車はアルファードで大きく重たいのだが、しっかり車重を支えながらもサイドウォールがしなやかに路面からの衝撃をいなしている。トレッド面での衝撃吸収も高い印象。

 その分、直進からの転舵時に若干反応に“ダル”を感じるが、重心が高いミニバンの特性を考えると、このくらいがちょうどいい。操舵に対する追従性は素直で、運転していて「楽」なタイヤ。

 また、旧来製品に対し14%ノイズエネルギーを低減したというように、高周波のパターンノイズが抑えられた静かなタイヤだ。

E-Grip RVF02はドライでは全体的にソフトでラクチン
E-Grip RVF02はドライでは全体的にソフトでラクチン

【画像ギャラリー】ベストカー編集部厳選のおススメタイヤを公開!!

 「2021春サマータイヤ徹底チェック」は5月10日発売『ベストカー』(2021年6月10日号)からの転載です。雑誌では、本記事の他に「BC厳選!!おススメサマータイヤカタログ」と題して「タイヤメーカー技術の粋 低燃費スタンダードタイヤ」など7カテゴリーに分けて70以上の商品を網羅、寸評と本誌独自調査による実勢価格も記載したお役立ち情報を掲載しています。雑誌もぜひお楽しみください。

 2021年6月10日号では他にも気になる記事が盛りだくさん。スクープ「TOYOTAパワーユニット深謀遠慮 エンジンの可能性を追求する!!」をはじめ、集中BIG特集「『ホット』なハッチで熱く走ろう!ホットハッチ世界大戦」や、6人の自動車評論家がじっくり検証した「1年、2年、時間が経てば評価も変わる!?」、野外料理の達人にキャンプを楽しむ秘訣を聞く「クルマでOUTDOOR焚火で楽しむ『肉』キャンプ」、人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」など幅広い世代が楽しめる読み物を掲載しています。

『ベストカー』(2021年6月10日号)の購入はこちら

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…