ヨコハマタイヤとベストカーがタッグを組んで送る「タイヤ体感試乗会」。タイヤは買わないとその乗り味がわからないもの。それならば乗り比べてタイヤの乗り味を体感しちゃおう、というのがこのイベントの趣旨です。
今回は2018年12月16日に山梨県の富士ヶ嶺オフロードにて、ヨコハマタイヤが誇るオフロードをターゲットにした「GEOLANDAR(ジオランダー)」を比較試乗してもらいました。
「えっ、ここ走るんですか!?」という驚嘆の声も聞かれたオフロード試乗会の様子をお届けします。
文:ベストカーWeb編集部/写真:池之平昌信
■オフロードの頼もしい相棒「GEOLANDAR」の選択肢
ヨコハマタイヤのオフロードタイヤ「GEOLANDAR(ジオランダー)」。オフロードタイヤなんて響きを聞くとタイヤ表面が「ゴツゴツ」したマッドテレインタイヤを思い出す人も多いはず。
しかーし!! GEOLANDARは昨今の多様化するSUVへも対応すべく、幅広いラインナップでユーザーに応えてくれるブランドでもあるわけです。
そんなGEOLANDARの現代のSUVにもピッタリな製品を体感してもらおうというのが今回のイベントの趣旨。
オフロードでは前述したようにマッドテレインタイヤの「GEOLANDAR M/T G003」が目立つのだけれど、現代のSUVは必ずしもオフロードを走る機会は多くない。
年に数回のキャンプ場への移動、もしくはワイルドなルックスのためにオフロードタイヤを履きたいんだよね、という層も多い。
そうなると究極のオフロード性能を誇るマッドテレインタイヤ意外にも選択肢が広がる。「もう少しオンロードよりのタイヤがあればいいのに」なんて声も多く聞こえます。

こちらがGEOLANDAR SUV G055。ご覧のとおり普通のラジアルタイヤのようなトレッド面をしている
あるんです!! GEOLANDAR SUV G055とGEOLANDAR A/T G015がその2つ。新型デリカD:5にも純正採用された「GEOLANDAR SUV」はオンロード志向、「GEOLANDAR A/T」はややオフロード志向。
その2銘柄を実際に試してみよう、というのが今回のイベント。会場は日本のオフロードの聖地「富士ヶ嶺(ふじがね)オフロード」。試乗車は三菱自動車の協力でGEOLANDARの実力をフルに発揮できる4台を用意しました。

こちらがGEOLANDA A/T G015。見るからにブロックが大きくオフロードでは頼りがいのありそうな雰囲気ムンムンだ
2コースに分かれて試乗を実施。林間コースはデリカD:5×2台、オフロードコースはエクリプスクロスとアウトランダーPHEVで試乗します。
■「マジでこの坂を登れるんですか? 壁じゃないっすか!!」
まずは林間コース。こちらのコースは文字通り林のなかを駆け抜けていくコース。路面は霜が溶けて少しぬかるみもあるなど、コンディションは決してよくはないです。
こちらのコースではデリカD:5を2台用意して、シルバーの車両にGEOLANDAR SUVを、深緑の車両にGEOLANDAR A/Tを装着。
このコース、序盤こそ平たんな道のりと緩い下り勾配などで構成されており「まぁ、これくらいなら走れるでしょ」という参加者のコメントも多かった。
しかし待ち受ける最後の難関。「富士ヶ嶺の壁」と担当が命名した上り急坂は岩肌がむき出しでスリッピー。しかも確度は30°近くあるもの。

これが「富士ヶ嶺の壁」だ!! ちなみに登れなかった参加者がいなかったことを考えるとやはりタイヤの性能は非常に高い。こちらはGEOLANDAR A/Tでの試乗の様子
「マジでこの坂を登れるんですか? 壁じゃないっすか!!」
助手席に乗るインストラクターに浴びせられる参加者の悲鳴にも近い声。まずはGEOLANDAR A/Tから試乗。
「ギュギュギュ!! ガッガッガッ!!」というタイヤが岩肌を掴む音が響きます。今回がオフロード初体験という参加者の方もすんなり登れました。
「なんか意外にもすんなり登っちゃって拍子抜けというか(笑)。タイヤが岩の角にガッチリ噛みつく感じがしました。初心者の僕にもこんな急な坂を登れるなんて安心感高いですね」。
さすがオフロードよりのA/Tタイヤ。走り終えた参加者も興奮冷めやらぬなか「気になるのはGEOLANDAR SUVだよね」とザワついている。
そう思うのも当然。見てのとおりタイヤのブロックが乗用車のタイヤのようで、本当にオフロード大丈夫なのか? という心配があったようだ。

こちらはGEOLANDAR SUVでの様子。少し空転をする場面も見られたものの無事全員が登頂成功。製品の差を理解できたようだ
百聞は一見に如かず。GEOLANDAR SUVを装着したクルマで早速「富士ヶ嶺の壁」を登ってもらいました。
「ギュイーン!! ザッザッザザ!!」。
少しタイヤが空転をしている様子。それでもなんなく登りきったGEOLANDAR SUV。感想を聞いてみる。
「さすがにA/Tと同じようには登りませんね。タイヤが空転する様子がありました。それでも怖いとかではなくて”行けるぞ!!”と思える感じで。日常であんなに急坂に登るシーンはないけど、このタイヤでもいけるんですね」。
ある程度のオフロードならまったく不安感のないGEOLANDAR A/Tと、意外にもオフロード適性の高かったGEOLANDAR SUVというのが多くの参加者のコメント。
「舗装路での乗り心地も比較してみたい!!」という意見も多くあったので次回のチャンスではぜひ舗装路試乗比較もしてみたいっす。
■「この傾斜でスリップしないってどんだけグリップするのよ!!」
衝撃的な林間コースを終えて次は比較的平坦なオフロードコース。こちらの試乗車はアウトランダーPHEV(GEOLANDAR SUV装着)とエクリプスクロス(GEOLANDAR A/T装着)の2台。
こちらのコースは大きなコブなどを超えて走る優しめのコース。とはいえそれだけではタイヤの性能を実感できないので一カ所だけ難しいセクションを用意しました。

こちらがバンク付コーナー。グリップや剛性の低いタイヤだとズルズルとずり落ちてしまうのだが、GEOLANDAR SUVもA/Tもなんの不安もなし!!
それがこちらのバンク付コーナーでございます。カーブにバンク(角度)がついているセクションで、グリップの低いタイヤならズルズルと斜面を滑ってきてしまいます。
インストラクターのデモンストレーションの後に恐る恐る試乗する参加者の皆さん。
「うぉぉぉぉ!! こえーっ!! 落ちるぅぅー」という悲鳴が多く聞こえてきましたが、全然問題ございません。GEOLANDARならこれしき余裕のよっちゃんです。
「物理的に考えて傾斜の途中でズルズルっとくるかと思ったら一切そんな予兆なし。この傾斜でスリップしないとかグリップ高すぎます」と参加者の声。
だんだんと慣れてきて恐怖心がとれてきた人が多いなか、ついぞこのバンクで滑ったという参加者は皆無。タイヤのグリップの高さ、そして横剛性の高さに感心した参加者が多かった。

午後になり午前中の霜が溶けてぬかるみ始めた。GEOLANDAR SUVは強くブレーキを踏むと少しスライドしたという参加者もいた。これはタイヤのパターンの差が大きいだろう
しかし乗り比べてみると実際に差があったセクションもあったようだ。
「グチャグチャのぬかるみを走ると、GEOLANDAR SUVでは少しだけですが横にスライドするシーンがありました。餅は餅屋でオフロードを走る機会が多ければGEOLANDAR A/Tも積極的に選びたいですね」というコメントも聞かれた。
比較的平坦なオフロードコースでの試乗は日常生活でも遭遇しうる凸凹などもあり、より現実的なタイヤ選びの参考になったようだ。
■オフロードを安心、軽快に走るならGEOLANDAR
今回の試乗会は16組の参加があったものの、実際に普段からオフロードを攻めている参加者は皆無。興味はあるけれどせいぜいキャンプ場の砂利道くらい、という一般的な参加者が多かった。
担当がインタビューした結果、多く聞かれたのはこのようなコメント。

16組、総勢20名の皆さんに体感いただいたGEOLANDAR体感試乗会。寒いなかご参加ありがとうございました!!
・GEOLANDAR A/Tの実力はなんとなくわかっていましたが、GEOLANDAR SUVでも普通なら引き返すような道でも走れるのにビックリしました
・今回の試乗を通じてGEOLANDAR A/Tに走れない道がないのでは、とまで思うほどでした。愛車のデリカにGEOLANDAR A/Tを履きたいと思います
・GEOLANDAR SUVの乗り心地のよさに感心しました。しかもエコタイヤでしょう!? GEOLANDARってブランドだけかと思ったからオフロードでの実力に感心しました
・この上にGEOLANDAR M/Tがあるんですよね? このタイヤ強すぎる……。

GEOLANDARシリーズの担当者からも直接話を聞けるのもイベントの醍醐味。GEOLANDARシリーズの選び方などを聞いている参加者も多かった
率直なコメントのなかには「GEOLANDAR SUV」がなんなくオフロードを走ったことへの感激と、「GEOLANDAR A/T」にはもっと過酷なオフロードを用意すべきという意見も。
走破性の高さをまじまじと見せつけたGEOLANDAR SUVとGEOLANDAR A/T。体感試乗会、今後にもぜひご期待ください。