北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。
第19回は、エゾリスの子育てです。
5月8日、北海道の釧路と稚内で桜の開花が発表され、日本列島を北上していた桜前線もゴールを迎えました。この季節になると、北海道の野生動物たちは出産、子育ての時期に入ります。
森に暮らすエゾリスも、桜が散ると、子供たちが巣を出て、駆け回って遊ぶようになります。好奇心旺盛な子エゾリスたちのかわいい姿をとくとご覧ください。
写真・文/佐藤圭
年に2回の子育てで母は大忙し
北海道にも桜が咲き、いよいよ、本格的な春がやってきました。エゾリスたちの子育ても始まっています。
エゾリスの巣は、木の上に枝を組んで作ったり、樹洞を使ったりします。子リスが大きくなって狭くなったり、糞や尿で巣が汚れてダニなどが発生すると、引っ越しをすることもあります。
子育ては母親のみで行って、オスが関わることはありません。1日2回ほど、授乳をします。
子リスたちは、桜が咲く直前に、おっかなびっくり巣から顔を出すようになり、桜が散った頃に巣から出て、好奇心旺盛に地面で遊ぶようになります。
子リスは、ちょっとした仕草もいちいちかわいくて、ファインダー越しに観察していてもメロメロになります。
巣穴から顔を出し始めたときは手の平に収まりそうなほど小さかったのに、ほんの10日間ほどで劇的に成長します。
それからもしばらくお母さんのもとで暮らしますが、親離れは早いです。夏を前に独り立ちします。
夏になると、お母さんは2度目の子育てが始まります。エゾリスは、年に二回、繁殖期があるので、春から夏の間、母リスは大忙しです。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。フランスのアウトドアブランド「MILLET」アドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
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