北海道No.1のドライブルート・オロロンラインの絶景!

北海道No.1のドライブルート・オロロンラインの絶景!

 北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。

 第25回は、北海道のウエストコーストを縦断するオロロンライン周辺に広がる絶景を紹介します。

 小樽を出発し、石狩湾をぐるっと回り、日本最北の酒蔵の町・増毛、海鮮グルメの宝庫・留萌、小平、羽幌を抜けると、そこには、北海道でしか見られないスケールの大きな絶景が広がっています。

写真・文/佐藤圭


【画像ギャラリー】サロベツ原野から望む、海中にそびえる利尻富士!

果てしなく広がる動植物の楽園をまっすぐに走り抜ける

小樽から稚内へ! 北海道有数の観光名所から、日本海沿いの海岸線を通って、北方四島を除く日本最北の地を結ぶ国道をオロロンラインと呼びます。

 約380km、ほぼ全行程で美しい海岸線が眺められ、僕は北海道一のドライブルートだと思っています。

 「オロロンライン」の名前は、かつてこの地域に数万羽が生息していた「オロロン鳥」に由来します。「オロロン鳥」の正式名称はウミガラス。「オロルーン」と鳴くため、この愛称で呼ばれるようになりました。

 ウミガラスは、カラスと名がついていますが、海に潜って魚を補食する海鳥で、外見はペンギンそっくりです。

北海道No.1のドライブルート・オロロンラインの絶景!
波間に漂うオロロン鳥(ウミガラス)

 このオロロンラインの中でも特にオススメは、天塩(てしお)町~稚内の海岸に広がる、日本一の高層湿原・サロベツ原野を通過する区間です。

 サロベツ原野は、5月から9月にかけては季節の花が咲き乱れます。春から秋にはコハクチョウやオオヒシクイ、数は少ないながらタンチョウも訪れ、冬にはオオワシやオジロワシが渡ってきます。人の手がほとんど入っていない原野は、動植物の楽園になっています。

 そして、この区間には、なんと道路脇に一切電柱がありません。果てしなく広がる原野のど真ん中をまっすぐに走り抜けます。

 なにもない原野を走るなんて退屈かな?と思いますよね。でも、そんなことはありません。

 晴れた日なら、この区間のドライブ中には、最初から最後まで、北海道最北端の島、利尻島が望め、そこにどーんとそびえる利尻富士がドライブのお供をしてくれます。

北海道No.1のドライブルート・オロロンラインの絶景!
茜色に染まった利尻富士と北へ帰る渡り鳥
北海道No.1のドライブルート・オロロンラインの絶景!
春、サロベツ原野の雪解け水が注ぎこむ海と夜明けの利尻富士
北海道No.1のドライブルート・オロロンラインの絶景!
夕焼け空と利尻富士
北海道No.1のドライブルート・オロロンラインの絶景!
秋、黄金色に輝くススキの原野と利尻富士

 実に気持ちいいドライブなんですが、注意しておかなくてはならないこともあります。

 サロベツ原野は、野生動物の王国です。鹿の大群が道の両サイドを埋め尽くすこともあります。鹿にぶつかり、車を廃車にしてしまった友人もいます。

 数年前には、子熊が道路に出てきて、それを撮影していた人が、親熊に車を殴られた事件もありました。

 このルートの途中、幌延(ほろのべ)町にあるオトンルイ風力発電所も人気の撮影スポットです。国道沿いに高さ100mの風車が約3kmにわたって続き、圧巻の風景が堪能できます。

北海道No.1のドライブルート・オロロンラインの絶景!
原野に屹立する風車群とエゾシカ

 ドライブへ行くなら、春から秋がオススメです。冬は、ひとたび吹雪くと、なにも見えなくなるホワイトアウトが発生します。慣れていない方はとても怖い思いをすることになるので、できれば真冬は避けたほうがいいと思います。

佐藤 圭  kei satou

 1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。MILLETアドバイザー。

 日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。

 2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。

ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/

Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612

インスタグラム:https://www.instagram.com/slashslash_photography/

【画像ギャラリー】サロベツ原野から望む、海上にそびえる利尻富士!

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