競技に向けた力ワザのミッドシップ「ルノー5(サンク)ターボ」
最後に登場してもらうのが、大衆車をベースにしながら、やや強引なミドシップ化によって荒々しいまでの性能とほかにはない格別の魅力を手に入れたルノー5(サンク)ターボだ。
フランスのルノーが1972年に発売した5(サンク)は、実用性の高いコンパクトハッチバック車で、デフ&ギヤボックスを車体最前部に置き、エンジンをその後方に縦置きマウントするFFレイアウト。FFによって十分な室内スペースと荷物収容能力を確保し、フランスはもとより世界各地で人々の“足”として親しまれた。
そしてルノーは、この時期の世界ラリー選手権(WRC)に出場するにあたり、ベース車両にこちらの5を選んだ。しかし、そのままラリー仕様に改造するのではなく、エンジンをターボ化すると同時に、デフ、ギヤボックス、エンジンをひっくり返すかたちでリアミドシップにマウントするという荒ワザを敢行したのだ。
本来は後部座席のある位置にエンジンが置かれ、ギヤボックスはその後ろに装着する。これはレーシングミドシップと同一であり、ターボ化された5の運動性能は著しく向上した。さらにフレームも強化され、オーバーフェンダーの装着で外観の迫力もアップ。5の面影を残しながら、5ターボはレーシングモンスターに生まれ変わった。なお、ルノーが純競技用モデルのベースにあえて大衆車の5を選択したのは、WRCでの活躍を5のプロモーションにつなげる狙いもあったようだ。
レーシングカーでは理想的とされるリアミドシップレイアウトだが、さまざまな制約のある市販車ではどこかに無理が生じるケースも多い。だが、今回紹介したクルマたちは、そうした欠点も含めて独自の魅力を放っている。
コメント
コメントの使い方トランクに荷物が詰めるといってフルに乗せてスポーツ走行もサーキットへも行かないよね。
まあ言ってもトランクに荷物乗せてとかねぇ。
その頃のスポーツカーなんかまともに真っ直ぐ走らなかったよね。
開発コンセプト読めば的外れだよね。