2021年8月26日、現行型レクサスESが2019年10月の発売以来初めてのビッグマイチェンを実施しました。ESはレクサスブランド立ち上げ以来の基幹車種ですが、日本市場ではセダン離れを体現して販売台数が伸び悩んでいる1台。これを機会に販売を伸ばせるか。今回の変更点を整理してお伝えします。
文/ベストカーWeb編集部
写真/LEXUS
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■今回のマイナーチェンジの内容
今回のマイナーチェンジの要点は以下のとおり。
・静粛性、乗り心地、全般的な応答性の向上
・フロントグリル、ホイールデザインなど外観のデザイン変更と新色追加
・マルチメディアシステムのタッチディスプレイ化など内装の使い勝手なども向上
・先進予防安全技術の進化
静粛性、乗り心地についての改良は、リアサスのメンバープレース構造変更で剛性を向上。電子制御ブレーキステムの制御定数変更、ペダルパッド形状変更などで実現。トップグレードである「F SPORT」には新型アクチュエータ(最新鋭のリニアソレノイド式AVS)を採用することで、減衰力の可変幅を拡大し、乗り心地と操舵応答性や安定性を両立している。
また、レクサスESといえば(このクルマが量産車として世界初採用となった)デジタルアウターミラーであるが、今回のマイチェンでカメラをアップデート。LEDのちらつきを大幅に低減するとともに画質を向上させ、昼夜ともに優れた視認性を実現している。
■国内市場の「セダン離れ」は今後どうなる?
日本国内市場では「セダン離れ」が続いており、それはレクサスも例外ではない。
2021年1~7月のレクサスES累計販売台数は2387台。1カ月平均販売台数は341台に留まる。これはISの(同期間)7531台(平均1075.8台)に遠く及ばず、またLSの3056台(平均436.5台)にも達していない。
レクサスの販売の中心はSUVにシフトしており、RX(1~7月累計7709台)、NX(同4469台)、UX(同6774台)などが順調な販売台数をキープし続けている。
近年、このESのライバルであるメルセデスベンツ(Eクラス)、BMW(5シリーズ)、アウディ(A6)それぞれのブラントも販売の力点をSUVに移行しており、高級サルーンの需要自体が世界的に減少傾向にある。
とはいえ「SUVよりも走行性能や静粛性の高く、運転の楽しさが味わえる4ドアセダンを」という需要は根強く存在しており、今回のレクサスESの強化もまさにその内容を強化してきている。
こうした「長所の地道な強化」は評価したいし、またこういった改善がどれくらい市場に評価されるかで、自動車メーカーの今後の開発の方向性も左右される。新型レクサスESの今後の売れ行きに注目したい。
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