BMWが分社化したメッサーシュミット社
そもそも航空機用エンジン・メーカーとして1916年に設立されたBMW社は、その翌年、BMWとしての最初の航空機エンジン「タイプIIIa」を開発した。そして同年、プロペラと雲と空からなる、あのBMWのロゴマークを特許事務所に登録している。
第一次大戦後、航空機の製造を禁止されたBMW社は、二輪車「ヘリオス」を生産していたバイエルン航空機製造会社(BFW)と合併して二輪車メーカーとなったが、再び航空機メーカーに返り咲いた1926年、その航空機製造部門を「BFW」として分社した。このBFWが後に社名を「メッサーシュミット」と改称している。
1932年からは自動車の開発製造も展開しつつ、1940年にはフォッケウルフFw190のエンジン「BMW801」の生産を開始。敗戦後は二輪車と自動車の開発製造に徹している。
そして1998年には、かつてドーバー海峡を挟んで戦った宿敵、スピットファイアが搭載した「マーリン」エンジンを製造したロールス・ロイス社を、BMW社はその傘下に収めている。
フォッケウルフは現在のエアバス・グループへ
1923年に設立されたフォッケウルフ社は、1938年にフォッケウルフFw190の設計を開始した。その3年後には同機の量産にとりかかっている。
日本と同様に、敗戦によって航空機の開発製造が禁止され後、1951年からはグライダー、1955年からは発動機や練習機を製造し、1963年には社名を「VFW社」に変え、旅客機の開発製造を開始している。
そして1965年、名高いドイツの航空機メーカー「ハインケル社」を吸収したが、1980年には当時のMBB社(メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム社)に吸収されている。つまり、BMW社から派生したメッサーシュミット社を源とする企業に吸収されたのだ。
その後1998年、MBB社は独米の複合企業「ダイムラー・クライスラーグループ」に買収され、その航空機部門は「DASA」(ダイムラークライスラー・エアロスペース)と呼称された。
2000年にDASAは、ヨーロッパの防衛連携のためにフランスの「アエロシパル・マトラ」、スペインの「CASA」と合併され、「EADS」(European Aeronautic Defence and Space Company N.V.)となる。この巨大企業EADSは2013年、その社名を「エアバス・グループ」に変更している。つまり、フォッケウルフ社もメッサーシュミット社も、そのDNAは現在のエアバス・グループに受け継がれているのだ。
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