■コスパNo.2:ダイハツミライース B・SAIII(92万6200円/CVT)
2位はミライースB・SAIIIだ。アルトAのライバル車で、衝突被害軽減ブレーキを作動させるスマートアシストIIIを標準装着して、価格を92万6200円に抑えた。
アルトAと違って、サイド&カーテンエアバッグなどは標準装着されない。そのために価格が1万7600円高くてもアルトAが割安だが、ミライースB・SAIIIも、低価格で新車を買いたいユーザーには有力な候補になる。
ミライースB・SAIIIのWLTCモード燃費は25km/Lだから、アルトAとほぼ同じだ。後席の足元空間はアルトよりも少し狭いが、大人4名の乗車は妨げない。
安全装備や乗り心地の違いも含めると、アルトAの推奨度が高いが、ミライースB・SAIIIも価格を100万円以下に抑えた軽乗用車では注目される。アルトと比べて検討したい。
■コスパNo.3:スズキワゴンR・FA(116万3800円/CVT)
アルトとミライースは、全高を立体駐車場が使いやすい1550mm以下に抑えて、価格が100万円以下のグレードも用意する。「低燃費と低価格」という軽自動車の本質を突いたが、今の売れ筋は背の高い車種になった。
人気が特に高いのは、N-BOX、スペーシア、タントなど、全高が1700mmを超えるスライドドアを装着したタイプだ。
このタイプの届け出台数は、軽乗用車の半数以上を占めるが、価格も高く大半のグレードが140万円以上になる。
そこで軽自動車で3番目に割安な車種として、ワゴンR・FAを選んだ。衝突被害軽減ブレーキを作動できるデュアルセンサーブレーキサポート、後退時にも衝突被害軽減ブレーキを作動させる後退時ブレーキサポートなどを標準装着して、価格は116万3800円だ。
ワゴンR・FAの価格は、アルトAよりも22万円高いが、全高が1650mmのボディによって車内は広い。後席には左右独立式のスライド機能が備わり、後席の左側にチャイルドシートを装着した時は、前側に寄せると便利だ。
運転席に座る親との間隔が縮まり、信号待ちの時などに子供のケアをしやすい。この時に後席の右側は、左右独立スライド機能を活用して後端まで寄せると、大人がゆったりと座れる。
さらに後席を畳むと大容量の荷室になり、助手席の下側には大容量の収納ボックスも装着した。荷物を積みやすく、小物類の整理もしやすい。ワゴンR・FAには、電動格納式ドアミラーなども標準装着されるから、アルトAに比べて22万円高くても納得できるだろう。
■コスパNo.4:ダイハツムーヴ L・SAIII(120万1200円/CVT)
価格が120万円を超えるものの、ムーヴL・SAIIIも割安だ。全高が1630mmのボディにより、タントほどではないが車内は広い。ワゴンRに比べてシートアレンジの種類は少ないが、後席の左右分割スライド機能などは装着されている。
そしてムーヴの注目点は、スタビライザー(ボディの傾き方を制御する足まわりのパーツ)を全グレードの前後(4WDは前輪側のみ)に備えたことだ。足まわりの挙動が制御され、走行安定性と乗り心地のバランスも優れている。
特に路面にウネリのある場所を通過した時など、ムーヴはスタビライザーを装着しないワゴンR・FA(2WD)、アルト、ミライースなどに比べて挙動の収まり方が良い。
この優れた走行安定性も、安全性を高める大切な要素になる。荷物の積載性やシートアレンジで、ムーヴに際立った特徴はないが、走りを含めて基本性能が良好だ。セダン的な価値を備える軽自動車に仕上げた。
ムーヴで注意したいのは、2022年にフルモデルチェンジが予想されていること。軽自動車は競争が激しく、装備を充実させない限り値上げはできないので、ムーヴの割安度は維持される。
むしろベーシックなグレードにもサイド&カーテンエアバッグを標準装着して、価格の上乗せを抑えるなど、次期型は現行型以上に買い得になる可能性も高い。従って可能であれば、次期ムーヴを選びたい。
コメント
コメントの使い方