「やっちゃえ日産」が本当にやっちゃった名車と迷車 5選

オシャレなTVコマーシャルも不発に終わったふたりのBABYミストラル

「やっちゃえ日産」が本当にやっちゃった名(迷)車クルマ5選
ヨーロッパでテラノIIという名称で販売されていたミストラル。5年足らずで姿を消してしまった。国内累計販売台数は4万台に届かず……

 ミストラルはスペイン日産で生産されていたテラノIIを仕様変更したパートタイム4WD方式の本格SUVとして1994年6月にデビュー。

 ハイラックスサーフを中心としたクロカンSUVブームが巻き起こっていた当時の日本、ミストラルはその流れに乗る形で国内販売を開始した。その出自から“ピュア・ヨーロピアン・オフローダー”をウリにしていたミストラルは同時期に発売されていたテラノと比較しても室内空間は広く、最高出力100ps&最大トルク24.8kgmを発生したディーゼルターボエンジンも力強い走りを披露した。

 当時の音楽シーンで隆盛を極めた渋谷系と呼ばれるムーブメントを牽引していたピチカート・ファイヴをTVコマーシャルに起用するなど日産の力の入れようは相当なものだったが、テラノのような人気を獲得することはできず1998年に生産終了。一代限りで姿を消した。

失敗作の烙印どこへやら? 今なお高値安定のS14型シルビア

「やっちゃえ日産」が本当にやっちゃった名(迷)車クルマ5選
巻き返しを図るべく登場した後期型のS14シルビア。吊り目のシャープなフロントマスクが好評を博した。1998年12月に生産終了を迎え、S15へとバトンが渡された

 大ヒットしたS13型の後継として1993年10月に発売された6代目シルビアのS14型。

 先代のスタイリングイメージやK’s・Q’s・J’s のグレード構成は継承しつつも“意のままの楽しい走りとセンスの良さを徹底追及したスタイリッシュスポーツクーペ”をコンセプトに登場したS14型だったが、当時のライバルと比較してあきらかに野暮ったいデザインに加え、操縦安定性や居住性、衝突安全性などの理由から敢行された3ナンバーボディへの移行が不評を買い、早々に失敗作の烙印を押されることに……。

 しかし、1996年6月のビッグマイナーチェンジではスポーツカー然としたシャープなビジュアルに刷新。220psの最高出力を発生した名機、SR20DETエンジンとの組み合わせはチューニングのベースとして評価が高く、後年に人気が再燃。中古車市場では今も高値安定の状況となっている。

スタイリングさえ良ければヒットしたかも!? なレパード J.フェリー

「やっちゃえ日産」が本当にやっちゃった名(迷)車クルマ5選
「美しい妻と、一緒です」というキャッチコピー通り、丸みを帯びたエクステリアデザインが印象的だった。販売は大低迷し、1996年に4代目へ。名称もレパードに戻された

 フランス語の“祝日”をイメージした造語を車名に加えた「レパードJ.フェリー」と改名して、1992年に登場した3代目レパード。

 TVドラマ“あぶない刑事”の劇中車として絶大な人気を得た先代のスタイリッシュな2ドアクーペから一転、Y32型のセドリック/グロリアをベースにした高級セダンへと生まれ変わった3代目。

 北米でインフィニティJ30として発売されていたものを国内市場に投入した一台だったこともあり、英国車を彷彿とさせる日本車離れしたインテリアの質感とデザインは大きな注目を浴びた。

 エンジンは最高出力270psを誇った4.2リッターV8と最高出力200psの3.0リッターV6の2種類を設定。その動力性能や走行性能は評価も決して低くはなかったが……海外では絶賛されたテールの下がったスタイリングが日本では賛否両論を呼んでセールスは低迷。1996年3月で販売終了となった。

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