コンパクト頂上決戦 ノート対アクア対フィットどれが一番いいかいざ尋常に勝負!!

プロパイロットを装着すると300万円オーバーのノート

ノートのフロントスタイル
ノートのフロントスタイル

 まずグレード構成や装備内容と価格面を見てみたい。ノートはFを除いた全グレードで2WDと4WDを用意しており、アクアは旧型モデルになかった待望の4WDをライナップ。リアにモーターを採用した電気式の4WDという点ではノートに近い。フィットは先代モデル同様に全モデルで2WDと4WDが選べる。

 ノート最大のウィークポイントは装備面と価格だ。プロパイロットは最上級グレードのXにしか装着できないし、アクアやフィットと同じレベルの運転支援システムの機能に揃えるためには300万円オーバーとなってしまう。

 この点においては、高速道路などで追従走行が行えるアダプティブクルーズコントロールを標準装備しているアクアとフィットが有利だ。

 また、ノートにはAUTECH CROSSOVERというSUVテイストのモデルが用意されているが、フィットは3ナンバーとなるがクロスターを用意しバリエーションが充実している。グレード構成や装備内容と価格面ではフィットに最も高い評価を与えたい。

バイポーラ電池を採用し走りの質感が向上したアクア

アクアの走行シーン
アクアの走行シーン

 続いては搭載しているパワートレインだ。WLTCモードで33.6km/Lという最も優れた数値を達成しているのはアクア。現行型アクアは燃費性能が優れているだけでなく、システムバッテリーにバイポーラ電池を使用したことで、モーターだけによる走行領域が格段に広がっている。

 この結果、走行時の静粛性が向上。さらに、エンジンが掛かる際にも回転数を制御することで、従来モデルよりエンジン音の発生を大幅に抑えている。燃費性能だけでなく、静粛性に優れたアクアを最も高く評価した。

 しかし、4WD車では評価が異なる。アクアとノートはリアにモーターを搭載した電気式4WDを採用している。アクアは最高出力6.4ps、最大トルク52Nmに対してノートは68ps、100Nmと高出力のモーターを搭載している。

 これによって、ノートは前後輪のトルク配分の範囲が広く設定できる。これが卓越したハンドリングの扱いやすさと路面を問わない安心感を生むのだ。実際に雪上で試乗したが、走行安定性の高さには驚かされた。よってアクアとノートは同評価としたい。

 ただし、乗り心地ではノートは2WD、4WDどちらもややリアサスペンションが硬く感じた。荒れた路面を走行すると、リアサスペンションの落ち着きがないためリアシートに乗った人がストレスを感じるのではないかと思った。

 アクアも16インチタイヤを装着したクルマはリアに硬さを感じたが、15インチ仕様に乗るとこの硬さは感じなかった。見た目は16インチのほうがカッコイイものの、標準仕様の15インチがオススメだ。

乗り心地の良さと唯我独尊のシートアレンジがフィットの魅力

フィットの走行シーン
フィットの走行シーン

 3モデルの中で、最も乗り心地で高い評価をしたいのはフィットだ。リアシートに乗る人が不快にならないセッティングの味付けは絶妙だ。シートはもう少し包まれ感がほしいが、乗り味という点では高く評価できる。

 また、フィットはセンタータンクレイアウトを活かしたフィットだけしかできないシートバリエーションなども魅力だ。一方のアクアは家庭用電気機器が使用できる100V/1500Wを標準装備している利便性の高さは見逃せない。

 結論として国産コンパクトカーの中で、最もベストバイなモデルはトヨタアクアとしたい。熟成の進んだハイブリッドシステムとバイポーラ電池の組み合わせは、モーター走行領域の拡大を実現することで走りの質感を向上させている。

 運転支援システムの「Toyota Safety Sense」を標準装備し、4WD車もラインアップに加わったことは大きなアドバンテージだ。ただし、降雪地で4WD車を選ぶのであれば、ノートをオススメしたい。車両重量の増加よりも高出力のモーター搭載を選んだ開発陣の心意気は、どんな路面状況においても安定感のある走りを提供してくれるからだ。

 正直言って、販売台数ほどの実力差はないように感じる。どのモデルも実力は高く、楽しいカーライフを提供してくれるのは間違いない。

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