あるときはビジネス用のバンとして、あるときはアウトドアやキャンプのお供として、またあるときはカスタムのベース車両としてマルチに活躍するハイエースは、昔もいまもキング・オブ・ワンボックスに君臨する存在。それだけに、圧倒的な存在感を放つハイエースさえいなければスター街道まっしぐら、だったかもしれないクルマも数知れず……というワケで、ここではハイエースに負けず劣らずの名車でありながら、その陰に隠れたワンボックスカー4台を紹介。果たして、横綱のハイエースに土がつく日は訪れるのか?
文/FK、写真/ダイハツ、トヨタ、日産、三菱自動車
【画像ギャラリー】ハイエースだけじゃない! マジで使える4台を再チェック!(17枚)画像ギャラリーキャラバンはマイナーチェンジでハイエースとの差が縮まった!?
ハイエースのライバルとして誰もが認める存在のキャラバン。ハイエース一強の牙城を崩すべく、昨年10月にガソリン車のマイナーチェンジを行って大きな進化を遂げていることをご存じだろうか?
今回のマイナーチェンジではフロントグリル&バンパーの刷新をはじめ、ボディカラーの追加、黒を基調にした落ち着いた雰囲気を演出する内装、メーター周りの刷新、新形状のD型ステアリングの採用といった多岐に渡る仕様変更を実施。
また、全車セーフティ・サポートカーS(ワイド)の対象となり、安全性能が大幅に強化されたことも大きなトピックとなっている。
走りの面でも動力性能と燃費性能を両立する多段化した7速ワイドレンジのトランスミッションによって高速走行時の静粛性が向上し、新設定されたマニュアルシフトモードもストレスフリーのドライビングを提供。
さらに、プライベートユースを意識した専用の内外装を採用した最上級グレードのGRANDプレミアム GXを新設定するなど日産の力の入れようは相当なもので、先に開催された東京オートサロン2022でも山で遊び尽くすための基地として活用できる“CARAVAN MOUNTAIN BASE CONCEPT”を参考出品。いま、乗りに乗っている日産の逆襲なるか? 今後に期待したい。
アウトドアブームに乗じてプチブレイク中のタウンエース バン
同じトヨタのハイエースによる共食いだけでなく、使い勝手の良い軽商用車にも食われ気味なのが2008年2月にデビューした4代目の現行タウンエース バン。
スタイリッシュかつコンパクトなボディに一新したうえで十分な積載能力と容易な取り回し性を兼備して登場したタウンエース バンはスクエアなボディ形状で積載能力と作業効率を向上させただけでなく、乗降性や視認性を高めることで商用車本来の機能を維持しつつ乗員の使用性にも配慮したつくりが大きな特徴だ。
軽量化と高効率を追求した1.5リッターガソリンエンジンも平成17年排出ガス規制に対応することで環境に配慮するとともに、クラストップレベルの衝突安全性能を確保するなど安全性能も進化を遂げている。
2020年6月のマイナーチェンジでは安全・安心装備のさらなる充実を図りつつ、燃焼効率の向上とフリクションの低減によって優れた低燃費性能と低排出ガス性能を両立した新開発の1.5リッター 2NR-VEガソリンエンジンを搭載。
そのデビュー以来、ハイエースほどの存在感を示せていない4代目ではあるが、軽商用車ほど小さすぎずハイエースほど大きすぎない絶妙なサイズ設定が奏功し、最近はアウトドアや車中泊のためのカスタムベース車両としてプチブレイクを果たしている。
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