皆さんは黄金期の三菱を象徴するクルマのひとつ、ディアマンテを覚えているか? ファーストミディアムクラスと評されたこいつには当時の三菱の頭脳を結集した先進装備が数多くあった。今回はそんなディアマンテの一生を皆さんにご覧いただこう。
文/小鮒康一、写真/MITSUBISHI
■デビュー当初は圧倒的な人気を誇ったディアマンテ
三菱のアッパーミドルクラスセダンとして1990年5月に登場したディアマンテは、ライバルに先駆けて3ナンバーのゆったりとした専用ボディを採用し、先進的な装備を多数備えたことで一躍人気車種の筆頭に躍り出た。
その人気ぶりはすさまじく、当初の月販目標台数を大きく上回る受注を受けただけでなく、1990年のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、クルマとしての評価も高い1台だったのだ。
また初代ディアマンテが人気を博したのは、いち早く3ナンバーボディを導入したことの影響も大きかった。
というのも1989年4月に消費税が導入されたタイミングで自動車に関わる諸税が軽減され、排気量に準じた自動車税も3ナンバー車に当たる排気量の額が大幅に引き下げられたのだ。
そのため、それまで憧れの対象だった3ナンバー車も買いやすくなり、排気量も自動車税に合わせた2L、2.5L、3Lと3種類を用意したことで、購入ユーザーのハートをガッチリつかんだのである。
また当時のBMW5シリーズを思わせる逆スラントノーズやマルチビジョンや三菱インテリジェントコックピットシステム、そして上級グレードにも4WDの設定があったことも人気の理由のひとつだった。
■1995年1月に2代目にフルモデルチェンジ
2代目ディアマンテは初代に引き続き先進的な装備を搭載し、トランスミッションは交通状況やドライバーの好みに応じた制御を行うニューロファジイ制御のINVECS-IIを搭載。
さらには現在のレーダークルーズコントロールと同じくカメラとレーザーレーダーを組み合わせて先行車との車間距離をコントロールするシステムを搭載した。
その名も「プレビューディスタンスコントロール」で、通常走行時も先行車との車間距離が近くなり過ぎた場合に警報を発して注意を促すというシステムまで搭載されていたのだ。
ただこの頃になるとライバル車種もキッチリ進化を果たしており、2000年には三菱のリコール隠し問題も発覚して販売台数が激減。
結局2005年まで販売が続けられたものの後継車種が登場することなく終売となってしまった。
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