2024年問題として騒がれているトラックのドライバー不足。しかし、ドライバー不足が起きているのはトラックだけではない、実はタクシーでもドライバー不足が起きているのだ。今回はタクシーのドライバー不足の現状と規制緩和に関して紹介していく。
文:西川昇吾╱写真:adobe stock アイキャッチ:adobe stock_Imaging L
■高齢化とコロナ禍が影響
あくまでも個人タクシーを除いた数を基にした話であるが、タクシードライバーの人数は減少傾向にある。
2019年には29万人だったが、2023年には23万人となっていて20%の減少が見られた。
高齢化(平均年齢58.3歳)という側面も大きいが、コロナ禍でタクシーの利用が少なくなっていた時期があったのも影響している。
この手の話題となると「どうせ賃金上げてないんでしょ」という声が聞こえてきそうだが、そんなことはない。
超過勤務手当も含めた金額ではあるが、賃金や労働時間の調査が行われた2022年6月の月給平均が29万4100円となり前年比で6万8800円、30.5%も増加した。
2021年1年間で支払われた年間給与額は平均で361万3300円、これは前年比80万9300円、28.9%増加だ。タクシー会社だって頑張っているのだ。
■地方を中心に規制緩和
しかし、ドライバー不足は止まらない。
そこで国土交通省は2023年9月に規制緩和を実施する方針をまとめた。内容としては以下の通りだ。
・これまでおおむね30万人以上の都市部に限られていた個人タクシーの営業をどの地域でも認める(1年以上個人タクシーとしての経験が必要)
・都市部以外では年齢制限を緩和。健康面でのチェックを受ければ原則75歳から80歳まで引き上げられた。
都心部はあまり変わりが無さそうな規制緩和ですが、地方では住民の移動手段の確保に困るケースが出ているそうだ。
そのような背景もあって、地方を中心に規制緩和をする流れとなったのだろう。
■ライドシェアが4月から解禁
ドライバー不足を解決する策として「ライドシェア」が今年4月から一部解禁となる。
タクシーが不足している地域や時間帯で、タクシー会社に登録した一般のドライバーがマイカーで有料の運送サービスを提供するというものだ。
事故などもしもの時の責任はタクシー会社が持つこととなっていて、利用時は配車アプリを使用。運賃は通常のタクシーと同じだ。
これまで乗客を乗せるタクシーのような業務形態の場合、2種免許が必要であったがライドシェアはそれが不要となる。
タクシー会社へと登録や教習所での講習を前提としているそうだが、安全面や各種トラブルへの不安がゼロではないことは確かだ。
このライドシェアはいい影響を与えるのか、新しい社会問題となるのかも注意して見ていかなければならない。
タクシーとなると高価な移動手段なイメージがあるかもしれないが、公共交通機関の撤退が相次いでいる地方こそ必要な移動手段とも言える。
それだけにどのようにして地方での安全かつ柔軟性のある移動手段を継続させていくのかが課題となっているのだ。
【画像ギャラリー】最近よくみるJPNタクシーの内装を画像でチェック!! (14枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方