『MFゴースト』しげの秀一先生×『トップウGP』藤島康介先生対談

■「ハラハラ」を楽しみたくてスポーツカーに

藤島 今回(『MFゴースト』)もちゃんと86にしたんですね。

しげの いろいろ迷ったんですけどね……どこかで(前作の『頭文字D』と)リンクさせたくて、86にしました。

藤島 お乗りになりましたか?

しげの 連載を始めるにあたり、(トヨタ86を)買いました。楽しいクルマですよ。すごく気に入ってます。

藤島 へー。楽しいんだろうなとは思うんですが、あのNAのエンジンはどうなのかなって思うんですよね。

しげの 物足りなさはあるんですけどね。しかもあれ、スバルの水平対向エンジンが載っていて、音がちょっと独特で慣れないんですよね。ドゥドゥドゥっていう。それに吸気音がシュゴーッってして、なんでこんななんだって思うこともあるんですけど、まあそこらへんは徐々に(自分で)換えていこうかと思っています。

藤島 以前のハチロク(AE86レビン/トレノ)と比べるとどうですか?

しげの うーん、よくはなっているんですけど、やっぱりパワーが足りない気がします。感覚的には以前のチューニングしたハチロクのほうがパワー感があって、それはもちろん車体がボロいからなんですけど、3速全開でバンッて踏んだ時、ハチロクにあったような緊張感はありませんね。

藤島 最近はそういう緊張感があるクルマはなくなってきましたよね。ヨーロッパ車はそういう緊張感があるんでしょうけども。

しげの そうですか?

藤島 アルファとかルノーとか。

しげの あー、そのあたりは楽しさがありそうです。まあでもそれも「演出」なのかもしれないですよね。コーナリングでいちいち昔みたいに不安定になっていたら危ないですけど、その危なっかしさが「楽しさ」につながるわけですし。

藤島 そうなんですよ。ぼくはいまルノーのメガーヌR.S.に乗っているんですけど、そういう演出がすごくうまい。ハラハラできる。そういう味付けを楽しみたくてスポーツカーに乗っています。

しげの すごくよくわかります。そういう楽しさってメーカーによってまったく違うじゃないですか。たとえばポルシェなんかは、ヨーロッパ車といってもまったく不安定さがない。

藤島 そうですねえ、ポルシェも以前乗っていましたが、まったくドラマチックさがありませんでした。どこまで踏んでも安定していて、あ、でもこれ速いなあと、そういうクルマでした。

編集 両先生は、これからほしいクルマはありませんか?

しげの そういう質問、困るんですよねえ。これから先、そう何台もクルマは乗り換えられないだろうから、大事な選択じゃないですか。それでずいぶん自問自答したんですけど、やっぱりポルシェかな……と最近は思うようになったんです。

藤島 わたしが乗っていたのは964(1989〜1993年式のポルシェ911)のターボでした。

しげの 怖くなかったですか?

藤島 4WDだったんでまったく怖くなかったですね。わくわく感は薄かったように思います。

しげの そうかぁ。4WDだとそうなんでしょうねー。ほしいクルマっていうと何になるんですか?

藤島 いまだと……アルピーヌA110とかはほしいですね。あの新しいやつ。

しげの あー、あれはぼくも気になります。

両先生が「気になる」といっていた、アルピーヌA110。車重わずか1110kgでミドシップ2シーターのクーペ。初回限定車(790万円)50台はあっという間に売り切れたが、年内にスタンダードモデルが発売される予定

藤島 アルミボディなのでぶつけても(カーボンではないので)直せるので。

しげの ぶつけないでしょう(笑)。というより、藤島先生、よく運転しているんですか?

藤島 よく出かけますね。なんというか、運転していないとカンが鈍りませんか?

しげの その感覚はよくわかるんですが、危ないじゃないですか。ケガしたら描けなくなるし。担当さんは(編集者のほうを向いて)ちょっとは止めたほうがいいよ(笑)。

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