『MFゴースト』しげの秀一先生×『トップウGP』藤島康介先生対談

■装備もライディングスタイルも日々変わる

しげの 最近はライダーの装備類もあっという間に変わりますよね。

藤島 変わります。首周りにエアバッグが付いたり。あとはブーツが強化されてますね。やっぱり転倒すると足首が折れるケースが多いようで。ただ対策が進んだら今度が脛が折れるようになっちゃったようです。それでも足首が折れるよりは脛が折れたほうが回復が早いぞ、という話になっていて……。

しげの 二輪のライダーはちょっとすごすぎる人が多いですよね。

藤島 おかしい人ばかりです。足が動かなくなってからは指でリアブレーキを操作するようになって、それでも速かった(マイケル・)ドゥーハンとか。

しげの そんないきさつがあったんですか。ドゥーハン、引退直前まで速かったですよね。指で……ですか。

藤島 リアブレーキはほぼ姿勢制御でしか使っていないからできるんでしょうね。ただその指ブレーキ、最近は足が悪くないのに使っているライダーもいるそうなんです。

しげの そのほうが使い勝手がいいのかなぁ……それで思い出したんですが、最近コーナーに進入する前に、ブレーキングで(右の)足を出すライダーが増えましたよね。あれなんなんでしょう。

藤島 まさに、あの進入前に足を出す動きをすると、マシンの余計な動きが制御できるそうなんです。でも足を出すと従来のリアブレーキが使えないから、そこでリアブレーキは指で操作するライダーが出てきていると。

しげの ライディングのスタイルが変わっていくのは、書きづらいですよね。

『バリバリ伝説』38巻(しげの秀一著)より。確かにいま見るとスピードの描写が違う。しかし、しげの先生の画風は今もスピード感があって読むとハラハラドキドキ感がすごい

藤島 この作品を描くために熱心に(Moto GP等を)見るんですけど、あれ、これまた変わった? ということもあって、面白いけど大変です……。

しげの 最近は車載カメラも増えてきて、いろんな角度からマシンの挙動が見えるんですよね。描かなきゃと思うと集中して見ることになるし、一度描くと忘れないし。勉強したくないのに覚えちゃいますよね。

藤島 いやぼくは勉強したくないわけでは……。

しげの あ、ぼくは勉強したくなかったなあ(笑)。

編集 しげのさんは、(作品のための)勉強は嫌いなんですか? そういうイメージはありませんけれど……。

しげの いやー、細部にこだわるのは(作品にとって)大事なんですけどね。雑誌に数行書いてあるマニアックな情報だったり、解説者がチラッと言ったことだったり、そういうの「あ、これ使える!」と思って見ているのってなんだか……忘れちゃうこともありませんか?

藤島 ぼくはそういうのは忘れないですね。

しげの あー天才型だなあ。ぼくは「覚えておこう」と思って、で、翌朝になって思い出せなくてイライラしちゃって、そういうのが嫌なので最近はスマホにすぐメモするようにしています。いまそのメモにプロットとかも書くようになってて、膨大な量になってます。あのスマホを落としたらぼくは翌週休載です(笑)。

編集 それは困ります(苦笑)。

藤島 クラウドにデータが残ってるんじゃないですかね。

しげの 使ってないんですよ。危険でしょ。

藤島 え、いやクラウドから流出したっていう話は聞かないので大丈夫じゃないですかね。

しげの いやいや、クラウドとかをよくわかってないぼくが危険なんです(苦笑)。

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